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第19回 なぜダフっていいの?バンカーショットのメカニズム

ゴルフギアの選び方
何でダフっていいの? バンカーショットのメカニズム

ヤッホー! ゴルフ坊だよ。
よくバンカーは「ボールの手前をダフるように打つ」って言うよね。でも実際にバンカーで手前をダフるように打っても思ったよりボールが飛ばなかったり、ヘッドが地面に跳ね返されてトップしたりなかなか上手くいかないもの。

今日は、バンカーを苦手にしないためにサンドウェッジに備わった機能と使い方を説明するよ!

そもそもバンカーとは?

ゴルフ場バンカー

ゴルフコースに設置されているバンカーとは、砂で満たされている窪地のことで、池などのペナルティエリアとは違い、入っても罰打にはならないんだ。そのかわりそのまま打たなければならないんだよ。

バンカーにはフェアウェイの近くにあるフェアウェイバンカーとグリーン周りにあるガードバンカーがあって、コースの難易度を左右する役割も担っているんだよ。

バンカーのそばには必ずバンカーレーキっていう砂を均(なら)すための器具がおいてあって、脱出した後は、足跡や打った跡を必ず均(なら)すのがマナーなんだ。

ボールがバンカー内にある、とはどんな状態?

バンカーにボールがある状態

ボールがバンカーに入っている状態とは、バンカーの内側にある砂にボールの一部が触れている状態を指すよ。たとえバンカーの内側にボールがあっても、バンカーの中にフェアウェイがぽつんとあって、そこにボールが乗っていたら、バンカー外のボールとして扱うんだ。

ボールがバンカー内にあるとバンカーにだけ適応するルールに従わなければならなくなる。だからボールがバンカーに入っているのか、入っていないのかをしっかり判断する必要があるんだ。

バンカー内のプレーに対する規制・制限

バンカーショット

バンカーには、フェアウェイなどが分類されるジェネラルエリアとも、池などのペナルティエリアとも違う、独自のルールが設定されているよ。

最も違う部分は、ボールを打つ前にヘッドや手をバンカー内の砂に触れさせてはダメなこと。打つ前に素振りをして砂に触れてもダメだし、スイングの始動時に砂に触れてもダメ。

触れてしまうと砂のテストをしたとして2打罰になっちゃうよ。このルールには例外もあって、誤って転びそうになった時に咄嗟にクラブを杖代わりにしたなどの場合は、ペナルティにならないこともあるよ。

バンカー内の石や木の枝は、取り除くことができるけど、ボールが動いちゃったら1打罰になるから気を付けてね。もし、動いてしまった場合は、1打罰を加えて元の位置にボールを置いてプレーするんだ。

またバンカー内にバンカーレーキがあってスイングできない時は、無罰でバンカーレーキを動かすことができるよ。

バンカーレーキ

バンカーレーキは、動かせる障害物扱いで、もしレーキを動かした時にボールが動いてしまっても、これは無罰なんだ。そのかわりちゃんと元の位置に置いて打たないと誤所からのプレーでペナルティになってしまうから気を付けてね。

2019年のルール改定について

バンカーに適応されるルールは、2019年に改訂されたんだ。救済措置が増えたから覚えておいて損はないよ。バンカー内の制限のところでもお話ししているけど、バンカー内の石、木の枝などは、取り除くことができるんだ。

だけど以前のルールでは取り除くと2打罰だったんだ。それとバンカーは砂地だから勢いよくボールが落ちると、埋まってしまうことがある。そんな時、自分のボールかどうか確認するのに拾い上げることができるんだけど、ルール改定前では、同伴者に申告する必要があったんだ。

それがルール改定後は申告しなくても良くなったんだ。最も大きく変わった措置がバンカー内でのアンプレヤブルの処置。以前のルールでは、アンプレヤブルを宣言してもバンカー内にしか救済は受けられなかったんだ。

それがルール改定後では、ボールとホールを結ぶ延長線上のバンカー外に1クラブレングスの範囲でドロップできるようになったんだ。

バンカーに入ってしまった場合のボールの打ち方

グリーン周りのバンカーショットは、砂の上から短い距離をコントロールして打たなければならないんだけど、他の芝から打つショットと違って「ボールを直接打たない」ことがほとんどなんだ。これは、直接打つととても難しくなってしまうからなんだよ。

直接ボールを打つより砂ごと打った方がピンに寄せやすい

直接ボールを打つより砂ごと打った方がピンに寄せやすい
芝からのショットはインパクト時に少々ダフっても、ヘッドが芝の上で滑ってくれるからある程度ボールは飛んでくれるけど、砂の上だと芝から打つより、地面がはるかに柔らかく、抵抗がとても大きいんだ。

つまり、クリーンに打とうとすると芝の上に比べてものすごくシビアになる上に少しでもダフるとすごく影響が大きくて、全然飛ばなくなってしまうんだ。さらにグリーン周りではバンカー内よりもグリーン面の方が高い場合がほとんどだからボールの高さも必要になる。

そこで考えられたのが、ボール周りの砂ごと飛ばす方法。クリーンに打つと計算がし難くくなってしまうから、計算できるように最初からわざとダフらせて打つんだ。この打ち方なら短い距離を安定して飛ばせるようになり高さも出しやすい。これが今 主流の「エクスプロージョンショット」と呼ばれる打ち方だよ。

エクスプロージョンショットはバウンスがとても大切

エクスプロージョンショットはバウンスがとても大切
ボールを砂ごと飛ばす「エクスプロージョンショット」を成功させるには、クラブのある部分が大切なんだ。それは「バウンス」。このコラムの第4回で説明したソールから張り出した部分のことだよ。

▶第4回 ザックリが減るウェッジの選び方やおすすめの組み合わせを紹介!

このバウンスが張り出ていることでヘッドが砂に潜り過ぎを抑えてくれるから砂ごとボールを飛ばすことができるんだ。「ザックリのミスを減らす」場合と同じ理屈だね。

バンカーショットの素朴の疑問

プロや上級者はバンカーで必ずって言っていいほどフェースを開いて構えているんだけど、それには理由があるんだ。

バンカーでフェースを開くのはなぜ?

バンカーでフェースを開くのはなぜ?
それは、バウンスをより強く張り出させるため。クラブは、フェースを開くと自然とバウンスが張り出てくるから、より有効にバウンスを使えるようにフェースを開くんだ。

なら、最初っから強くバウンスが張りでている作りにすれば! って思うかもしれないけど、サンドウェッジは、バンカーだけじゃなくて芝の上から使うこともあるから、真っ直ぐ構えた時にバウンスを強く張り出させると芝の上のアプローチに影響が出ちゃう。

だからサンドウェッジは真っ直ぐ構えた時に邪魔しないバウンスにして、必要な時に開いて張り出すように使い分けられるようになっているんだよ。

バンカーはオープンスタンスじゃないとダメ?

バンカーはオープンスタンスじゃないとダメ?
これもプロや上級者はみんなやっているバンカーでのオープンスタンス。これにももちろん理由があるんだ。

「フェースを開く」っていうのは自然とフェースを右に向けるっていうことなんだ。だから、そのままクラブを振ると右に飛んじゃう。
これを相殺するためには「やや目標より左方向に振り抜く」必要がある。その振り抜く方向に真っすぐにアドレスすると、目標方向に対してはオープンスタンスに見えるんだ。

よく勘違いしている人が多いけど、「バンカーショットはオープンスタンスで打つ」のではなくて、振り抜く方向に対してスクェアに構えているだけなんだよ。だからバウンスが大きいウェッジや、バンカー専用ウェッジ等は、フェースを開く必要がないからアドレスはスクエアで良いんだよ。

ボール位置は左足よりに置くのが正解

ボール位置は左足よりに置くのが正解
「バンカーでは普段のショットよりボールは左足よりに置く」これも良く言われることだよね。これは通常のバンカーショットでは正しい動きだよ。

上述の通り、バンカーではバウンスを使って、手前からダフらせるように打つよね。だから、ヘッド先端のリーディングエッジではなく下側のバウンスから接地するのが良いんだ。ボールが右側にあるほど、どうしてもエッジから接地しやすくなる。逆に、いつもより左足よりに置けばいつも通り振るだけで自然とボールの手前を打ちやすくなるんだ。

バンカーが苦手な人にオススメな対処法

形だけ真似しても難しくしているだけ。シンプルに打ってみよう!

バンカーは苦手というゴルファーは多いよね。そういう人は、何とかしたいから雑誌や上級者などから見たり聞いたりする。その時に、バンカーからボールが飛び出すメカニズムを理解してないで形だけを真似するのからかえって上手く打てないんだ。

バンカー自体に苦手意識が強い人は、バンカー用のウェッジを自分で選ぶといいかも!

その中でも特にオススメなのは、ロフト56度か58度でバウンスそのもののサイズが大きいモデル。特別なことをしなくても左足寄りにボールを置いて打つだけで砂ごとボールを飛ばしてくれるよ。

バンカーショットのメカニズム #814

まとめ

バンカーは、ペナルティこそないけれど、入ってしまうととても難しいショットを要求される嫌なエリアだよね。バンカーに入ってスコアを大きく崩した経験を持つゴルファーも多いんじゃないかな。

でもクラブの構造、構え方、打ち方など、対策方法を知ってさえすれば、落ち着いて対処することができるはず!ルールも頭に入れておけば余計なペナルティも受けずに済むから、是非覚えておいてね!