
今回、打ち比べ紹介するクラブは2024年2月に発売されたテーラーメイドQi10シリーズのドライバー。「ぶっ飛び系」を謳うモデルでテーラーメイドが史上最高レベルの慣性モーメントを実現させました。
モデル名は探求の「QUEST(クエスト)」と慣性の「INERTIA(イナーシャ)」の頭文字に加えて、上下左右の慣性モーメントの合計である「10,000」を意味する「10」を組み合わせたもの。
素直に真っ直ぐ飛ぶドライバーを求めるプレイヤーにおすすめできるモデルとなっています。
試打は「ゴルフドゥ!スタジオグローボ蘇我」にて実施。レッスンインストラクターの一宮 京介さんによる感想を元にお伝えします。
目次
テーラーメイド「Qi10」のドライバーの特徴
「Qi10」は慣性モーメントに焦点を当て、寛容性を高めた点が特徴です。
ゴルフクラブにおけるミスに対する強さ、曲がりにくさといった性能を測る上で重要な指標となる慣性モーメント。基本的には数値が高いほどミスに強く、曲がりにくいクラブであると言えます。
特に「ヘッド左右」の慣性モーメントが高ければ、フェースの向きが変わりにくく、ボールがブレずに飛びやすくなります。
また、ヘッドの97%をカーボンで構築したことで重心位置の最適化を実現。ボール初速を落とすことなく、慣性モーメントの向上を可能にしました。
そのため、「飛距離」と「やさしさ」を兼ね備えたモデルであるといえるでしょう。
テーラーメイド「Qi10」のドライバーは3モデル
Qi10には現在、以下3モデルが展開されています。
● Qi10 MAX
● Qi10
● Qi10 LS
基本的な特徴はそのままに、それぞれのモデルで得意とするプレイが異なってきます。
以降で各モデルの特徴、試打の印象、そしてどんな人に向いているのかを解説いたします。また、中古販売価格の相場(2024年11月時点)も載せていますので購入時の参考にしてみてください。
Qi10 MAX ドライバーの特徴

Qi10は前モデルとなる「ステルス2 HD」の後継モデルとなります。3モデルの中で最も「やさしい」モデルであることに変わりありませんが、その性能自体は全く異なるものとなりました。
ヘッド素材にカーボンウッドを使用することで余剰重量を実現。460ccとモデル最大となるヘッドサイズを持っています。
また、余剰重量をヘッド前方と後方に分散させることで、ヘッド全体の慣性モーメントを大幅に向上させました。
新開発されたフェース面には「60層カーボンツイストフェース」を採用。これまでのチタン製と比較して、圧倒的な軽量化を実現させています。
試打した印象
まず、従来のテーラーメイドのドライバーと比べて、ヘッドが大きく見えるという点が印象的です。クラウン部分の投影面積が大きく、シャローフェースになったと強く感じられます。
実際に試打した際の感想としても、上下左右の慣性モーメントが「10,000」という点を売りにしている分、やはりミスしてもブレないモデルといえるでしょう。
前作となる「ステルス2 HD」にもあったボールの捕まりやすさという点を残しつつも、よりシャローで優しいドライバーになったと感じられるはずです。
また、全モデルに共通した見た目の話になるのですが、フェース面が「ステルス」時代の赤から、Qi10では青に変わっています。
黒と青という同系色になっていることで、構えた時に違和感があるかと感じられるかもしれませんが、フェースとクラウンの境目に白でアライメントラインが出ているので、飛球線方向への構え安さも問題ありません。
ヘッドスピード44.7m/s時の飛距離でトータル263ヤードと申し分なく、安定しながら距離を稼げるでしょう。
どんなゴルファーに向いているのか
Qi10 MAXは、他のモデルと比べて最もブレない仕上がりになっています。そのため、ドライバーショットがフェースの真ん中で捉えられないといったミスショットが気になるプレイヤーに向いているといえるでしょう。
また、ボールの直進性も非常に強いモデルになっていますので、スライスが起きやすい方にもマッチするはずです。
素直に真っ直ぐ飛ぶモデルですので、そういったプレーを目指す方におすすめできます。
【ギア情報】
シャフト | Diamana BLUE TM50 |
発売年 | 2024年 |
推奨レベル | 初~中級者向け |
ヘッド体積 | 460cc |
ロフト | 9°、10.5°、12° |
フレックス(硬さ) | S、SR、R |
長さ(インチ) | 45.25 |
キックポイント | 中 |
定価 | 95,700円 |
当社中古売価の相場 | 32,000~50,000円 |
Qi10 ドライバーの特徴

Qi10シリーズの中でもっともフラットな特徴を持つモデルとなる1本。シリーズの特徴である「飛距離」と「やさしさ」をバランスよく兼ね備えており、狙ったコースへ打ち出しやすくなっています。
ヘッドデザインは各モデル共通となっていますが、MAXと比較してヒール側に搭載されたウェイトが中央寄りに配置されている点が特徴です。
ヘッド体積は460ccとMAX同様ですが、低重心であることから安定したパフォーマンスが実現するでしょう。
試打した印象
「ステルス」初代に対しては、多くのゴルファーから「ボールが上がりにくくなった」という感想が出ていました。難しいモデルという立ち位置から「ステルス2」になり、優しくなったという印象に変化。
そしてこちらのQi10については、その「ステルス2」からより一層優しくなったと感じられるモデルになっています。
その一番の要因としては、やはり構えたときのフェース面が大きく見える点に加えて、シャローフェース寄りになっていることがあげられるでしょう。
また、MAX同様に右方向への打ち出しといった点も抑えられる印象を抱きます。サイドスピン量1512RPM、打ち出し方向3度で打った際にも大きく右に外れることなく、左右に広いコースであればOBになることも少なそうです。
どんなゴルファーに向いているのか
Qi10全体に対する特徴にもなりますが、やはりミスショットに強いという点が大きなポイントになります。ボールの方向性に強い、オーソドックスなモデルを求めている場合は、こちらのスタンダードなQi10が向いているでしょう。
純正シャフトについてもS、SR、Rと固くもなく、柔らかくもないオーソドックスなものが揃っています。そのため、幅広いプレイヤーにマッチするおすすめモデルと言えそうです。
【ギア情報】
シャフト | Diamana BLUE TM50 |
発売年 | 2024年 |
推奨レベル | 中級者向け |
ヘッド体積 | 460cc |
ロフト | 9°、10.5°、12° |
フレックス(硬さ) | S、SR、R |
長さ(インチ) | 45.5 |
キックポイント | 中 |
定価 | 95,700円 |
当社中古売価の相場 | 32,000~50,000円 |
Qi10 LS ドライバーの特徴

Qi10 LSは「ロースピン」を意味する名称の通り、ヘッドスピードが高いプレイヤーへ向けて設計されたモデルです。その特性上、上級者に向けたモデルとなっており、弾道調整機能なども兼ね備えています。
また、ソールの重心距離を可変ウェイトによって調整可能で、より高い寛容性とロースピンを実現しています。
ミスに対する強さを高められることから、より扱いやすいモデルになっているといえます。
試打した印象
先程のMAX、スタンダードのQi10ではヘッドスピードが43〜45程度に合わせて振ってみました。Qi10 LSでも同様に振っていたのですが、やはりその特性通り最もスピン量が少なかったと感じられます。
実際、ヘッドスピード44m/s時でもバックスピン量は2000RPM前後に抑えられています。その分、左方向へのミスショットを抑制してくれますし、ボールの上がりも変えてくれるようなモデルだといえるでしょう。
「ステルス2 プラス」の後継機という立ち位置になりますが、それ以上にヘッドサイズが大きく見える点もポイントです。そのため難しいモデルではありますが、安心して構えられるといった改良点が感じられます。
同等のヘッドスピードにおいてはQi10 MAXで2500〜2900RPM、Qi10で2600〜3000RPM程度であることから、Qi10 LSのスピン量の少なさが分かるのではないでしょうか。
どんなゴルファーに向いているのか
ロースピンモデルということで、ヘッドスピードがあるプレイヤーに向いています。バックスピン量が高く、ボールの上がりを抑制したいと考える方には最適なモデルです。
また、ソールのウェイトなど、自分に最適な調整が可能になっている点もポイント。そのため、競技志向のプレイヤーにとってこれ以上ないモデルに仕上がっています。
【ギア情報】
シャフト | Diamana SILVER TM50 |
発売年 | 2024年 |
推奨レベル | 中~上級者向け |
ヘッド体積 | 460cc |
ロフト | 8°、9°、10.5° |
フレックス(硬さ) | S、SR、R |
長さ(インチ) | 45.5 |
キックポイント | 中元 |
定価 | 99,000円 |
当社中古売価の相場 | 38,000~60,000円 |
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まとめ
テーラーメイドの「Qi10」ドライバーの3モデルについて、それぞれの特徴に加えて、そしてどういったプレイヤーに向いているのかを解説いたしました。
ミスショットを抑制しつつ、真っ直ぐ素直なボールを打ちたい方は「Qi10 MAX」、モデルの特徴を手軽に楽しみたい方は「Qi10」、そしてヘッドスピードがあり、競技志向の方には「Qi10 LS」と幅広いプレイヤーに対応したモデルが揃っています。
いかがだったでしょうか。本記事がゴルフクラブ選びの参考になれば幸いです。