
2024年には慣性モーメント10K超えのドライバーが続々と登場し話題となりましたが、創業以来、どのメーカーよりも慣性モーメントにこだわり続けてきたメーカーがピンです。
それはアイアンにおいてもまったく同じ。「新しいモデルは必ず前作よりも寛容でなければならない」と説いたのは創始者カーステン・ソルハイム氏ですが、その理念は現在に至るまでピンのすべてのアイアンに生かされています。
目次
ピンのアイアンとは?
ピンといえばアンサーパター、最近ではGシリーズのドライバーを思い浮かべる人が多いかもしれません。
しかし、忘れてならないのはアイアンにおいても独創的な商品開発力で業界をリードしていることです。たとえば、キャビティバックやロストワックス製法は現代のアイアンでは当たり前の技術ですが、その本家本元はピンです。
1959年に世界初のヒール・トゥバランスパター、1-Aを完成させたK・ソルハイム氏が、続いて既存のマッスルバックアイアンの背面をくり抜いた風変わりなアイアンを製作しました。
ヒール・トゥバランスの応用で重量をヘッド外周に配分するキャビティバックのアイデアは後にEYE2アイアンにも搭載されて世界中で大ヒット。
これを機にアイアンの主流はマッスルバックからキャビティへと移行し、多くのゴルファーがいまも恩恵を受け続けています。
▶アイアン選びのポイントはヘッドの形。ミスに強いアイアンはヘッドの形で分かる
ピンのアイアンを選ぶコツ

中上級者に好まれている理由
初心者からツアープロまで幅広い人気のピンアイアンですが、特に中上級者から高く評価されているのはパフォーマンスの高さです。
「上達を願うすべてのゴルファーのために」という創業以来のブランドスローガンの下、見映えや流行りにとらわれず徹底した性能優先主義を貫くピンのアイアンには、前作よりも明らかにパフォーマンスが優れているという信頼感があります。
また、まだクラブフィッティングという概念もなかった時代、K・ソルハイムがクラブ調整を請け負ったプロが次々と優勝し「カーステンマジック」と賞賛されました。
その経験から生まれた独自のフィッティングシステムによって、ゴルファー一人ひとりに合わせて、そのクラブの持つ最大限のポテンシャルを提供できるところもピンの強み。そのためにアイアンの全モデルでライ・ロフト角を調整できるところは大きなポイントです。
選ぶコツ その1 シリーズ
現行のピンアイアンは大きくG、i、ブループリントの3シリーズに分かれていて、ヘッドの大きさがそれぞれの性格の違いを表しています。
3シリーズのうちもっとも寛容性が高く初中級者にも打ちやすいのがGシリーズです。ラージサイズのヘッドは慣性モーメントが大きく、打点のブレに強いのが最大の長所。左右どちらのミスもカバーしてくれるので、オートマチックに打ちたい人におすすめです。
ミッドサイズの iシリーズは寛容性と操作性をバランスよく兼ね備えています。ミスヒットしたときの曲がり幅や飛距離ロスを抑えつつ、ある程度の球筋の打ち分けが可能。初心者から上級者までオールマイティーに使えるシリーズです。
そしてヘッドがもっともコンパクトなブループリントは操作性と打感を優先したシリーズ。スピン量も多くターゲットをピンポイントで攻めたい上級者向きのアイアンです。
選ぶコツ その2 ロフト角
アイアンは距離を打ち分けるクラブなのでロフト角がとても重要です。アイアンのロフト角は、ボール初速、打ち出し角、スピン量、球の高さ、飛距離に影響します。
近年は飛び系アイアンのストロングロフト化が進み、番手の数字が同じでもロフト角が1〜2番手相当立っているモデルもあるので選ぶ際には注意が必要です。
ピンのGシリーズの現行モデルで比較しても同じ7番でG730アイアンが26.5度、G430アイアンは29度と約1番手。iシリーズの場合はi530アイアンの27.5度とi230アイアンの33度で2番手近い開きがあります。
一般的にはロフトの立っているほど飛距離が出やすく、寝ているほど打ち出し角とスピン量が増えますが、当てはまらないケースもあります。ヘッドスピードの遅い人やハンドファーストが強くロフトを立てて打つ人は、ロフトの立ったアイアンを打つと球がドロップして飛ばないこともあるのでとくに気をつけましょう。
選ぶコツ その3 カラーコード
ピンのアイアンを中古で手に入れる際に必ずチェックするべきポイントはカラーコードです。フィッティング販売の比率が高いピンのアイアンは、購入者に合わせてライ角が調整されていることが多いからです。カラーコード=ライ角はネック部分の・(ドット)の色で見分けることができます。
カラーコードはマルーン(5度アップライト)からゴールド(4度フラット)まで10種類あって、ブラックは標準ライ角です。自分の適性ライ角がわからない場合は最初にブラックから試してみるといいでしょう。
もし自分に合ったカラーコード=ライ角が見つからない場合でもピンの全モデルはライ角調整が可能なのでお店で相談してみましょう。
中級〜上級者におすすめのピン アイアン
ブループリントS

初代ブループリントアイアンはマッスルバックの1モデルのみでしたが、2代目はブループリントTアイアン とブループリントSアイアンの兄弟モデルとなりました。
ハーフキャビティデザインのブループリントSは、前作よりもブレードが長くソール幅も広くなり、さらにロング番手(#3〜5)にはピン独自のポケットキャビティ構造(カスタムチューニングポート)を採用。トップブレードの薄いシャープな見た目ながら、打点のミスに強く、球が上がりやすくなっています。
また、ソールは前作同様バンス角が大きくダウンブローに打ちやすい形状です。単一素材鍛造のソリッドな打感と操作性に寛容性が加わったことで、中上級者が楽にスコアメイクできるアイアンとなっています。
発売年 | 2024年 |
ヘッド素材 | 8620カーボンスチール |
仕上げ | ハイドロパールクローム |
ロフト角(#7) | 33° |
ライ角(#7) | 62° |
定価(1本)スチール | 36,300円 |
ブループリントT

ブループリントTアイアンは初代ブループリント直系の打感と操作性に優れたマッスルバックです。
初代と比べてブレード長が若干長くなり、ヒールの高さが抑えられたことで見た目は非常にシャープ。リーディングエッジやトップラインは直線的で、ターゲットラインに対してフェースを直角に合わせやすく、ヘッドの入射角やインパクトのフェース向きをイメージしやすい形状です。
幅の狭いソールは抜けがよく、スピンもよく入るため、左右高低の球筋を操りたい上級者にはもってこい。
一方、トゥ側のウエイトビスの重量増により慣性モーメントがアップしており、キャビティのような寛容性はないものの芯を外したときの距離の誤差が小さく、ターゲットをピンポイントで狙えるアイアンとなっています。
発売年 | 2024年 |
ヘッド素材 | 8620カーボンスチール |
仕上げ | ハイドロパールクローム |
ロフト角(#7) | 33° |
ライ角(#7) | 62° |
定価(1本)スチール | 36,300円 |
ブループリント

ブループリントアイアンは、キャビティアイアンの始祖であり、歴代アイアンでもつねに寛容性を追求してきたピンが初めて手がけた鍛造マッスルバックアイアンです。
モデル名のブループリントには設計図(青写真)という意味があり、プレーヤーが思い描いた弾道でターゲットをねらえるモデルであることを表しています。その名の通り、コンパクトかつソール幅の薄いヘッドはどんなライでも抜けがよく、思い通りの操作が可能。
また、大きめのバンス角はダウンブローで打つことを想定しており、スピンコントロールでボールを止めたい上級者向けのモデルです。
ヘッド素材には8620カーボンスチールを採用、S20CやS25Cなど軟鉄鍛造モデルと同等のソフトな打感を実現しています。
発売年 | 2019年 |
ヘッド素材 | 8620カーボンスチール |
仕上げ | パールクローム |
ロフト角(#7) | 34° |
ライ角(#7) | 62° |
定価(1本)スチール | 36,300円 |
i230

i230アイアンはツアープロの使用率が高かったi210アイアンをバージョンアップしたポケットキャビティアイアンです。
Gシリーズよりも小ぶりなミッドサイズですが、ロング番手はグースが大きめでトップブレードも厚めなので安心感があります。逆にショート番手はグースが小さめで操作できそうな顔です。ロフトも7番で33度と寝ているので飛びよりもコントロールを重視したモデルといえます。
コースや風に合わせてドローもフェードも打てますが、前作よりも慣性モーメントがアップしたため曲がり幅は小さく、ストレートに近い弾道でねらっていけるモデルです。
ヘッド素材はステンレスですが、ポケットとバックフェースに衝撃吸収性に優れたエラストマー樹脂が装着されているので心地よい打感が味わえます。
発売年 | 2023年 |
ヘッド素材 | 431ステンレススチール |
仕上げ | ハイドロパールクローム |
ロフト角(#7) | 33° |
ライ角(#7) | 62° |
定価(1本)スチール | 30,800円 |
i530

i530アイアンはマッスルバック風のルックスを持つ飛び系中空アイアンです。ピンには同じく飛び系のG730アイアンもありますが、大きく異なるのはヘッドサイズです。i530のブレード長はアスリートモデルのi230とほぼ同じ。コンパクトで球がつかまりやすいところが特徴です。
見た目がシャープで手強そうな雰囲気もありますが、中空の特性を生かした高慣性モーメント設計により、実際にはミスヒットに強く直進性の高い球が打てるアイアンとなっています。
また、前作のi525よりも1.5度〜2度立ったロフトとマレージング鍛造フェースの弾きの強さによって、ノーマルロフトのアイアンより1〜2番手大きな飛びを実現。ポケットキャビティ並みの低重心設計により飛び系ながら球の高さも出せるアイアンです。
発売年 | 2024年 |
ヘッド素材 | マレージング鋼C300(フェース) 17-4ステンレススチール(ボディ) |
仕上げ | ハイドロパールクローム |
ロフト角(#7) | 27.5° |
ライ角(#7) | 62° |
定価(1本)スチール | 31,900円 |
i59

i59アイアンは、ツアーで活躍したS55アイアンやiブレードの系譜に連なるアスリートアイアンです。
ヘッドはコンパクト、外観はほぼマッスルバックですが、ステンレスフェースと軟鉄鍛造ボディの中空部に比重の軽いアルミニウムコアをインサートした新しい構造を採用。マッスルバックに近いソリッドな打感と優れた操作性を持たせながら、周辺部に重量を配分することで中空アイアン並みの寛容性を実現しています。
適度なグースネックで球のつかまりはよく、ドローもフェードもイメージ通りの弾道で打てます。ロフトが寝ているので球はよく上がります。ミスヒットしたときの飛距離ロスも少なく、縦の距離を合わせてボールをねらったところに止めやすいアイアンです。
発売年 | 2021年 |
ヘッド素材 | 17-4ステンレススチール(フェース) ADC12(インサート) 1025カーボンスチール(ボディ) |
仕上げ | ハイドロパールクローム |
ロフト角(#7) | 34° |
ライ角(#7) | 62° |
定価(1本)スチール | 38,500円 |
初級〜中級者におすすめのピン アイアン
G730

G730アイアンはピンの歴代モデルの中でもとくに飛びにこだわったポケットキャビティアイアンです。前作G710アイアンよりも1.5度ストロングなパワースペックロフト(7番=26.5度)、フェース全体がたわむVFTフェースの採用によりピン史上最高のボール初速を実現。
また、ヘッドの構造が前作までの中空からポケットキャビティへと一新されて慣性モーメントも大幅にアップ。打点のブレに強く従来以上に飛んで曲がらないアイアンに進化しています。
さらにワイドになったソールによってさらにダフりにくさもアップ。球のつかまりもよく初中級者でもキャリーでやさしく飛ばすことができます。
また、バックフェースには衝撃吸収効果のあるピュアフレックスを搭載。弾きの強さと爽快な打感を両立しています。
発売年 | 2024年 |
ヘッド素材 | 17-4ステンレススチール |
仕上げ | ハイドロパールクローム |
ロフト角(#7) | 26.5° |
ライ角(#7) | 62° |
定価(1本)スチール | 28,600円 |
G430

G430アイアンは、飛んで曲がらないG425アイアンを全方向に進化させた、さらに飛んで曲がらないポケットキャビティアイアンです。
飛距離アップの要因は前作よりも1度立てられたロフトとさらに薄肉化されたフェース。フェース全体で初速がアップして自分のヘッドスピード以上に飛距離が出ます。
ロフトが立った分、重心が低くなったので高い打ち出し角はそのままです。わざと球を曲げようとしてもほとんど曲がらないほどの直進安定性はさすがにGシリーズ。芯を外したときの曲がりや飛距離ロスが小さいため、飛び系に負けない平均飛距離が期待できます。
G425と同じく飛び系アイアンで球が上がりにくかったり止まらなかったり相性がよくない人に試して欲しいモデルです。
発売年 | 2022年 |
ヘッド素材 | ハイパー17-4ステンレススチール |
仕上げ | ハイドロパールクローム |
ロフト角(#7) | 29° |
ライ角(#7) | 62° |
定価(1本)スチール | 26,400円 |
G425

G425アイアンは2003年に発売されたG2アイアンから数えてシリーズ11代目に当たるモデルです。
Gシリーズは曲がらないアイアンの代表格ですが、G425でもっとも進化したのは飛距離性能です。ピン独自の鋳造方法で強度アップと薄肉化を実現したハイパー17-4ステンレスフェースは芯を多少外しても弾き感が強く爽快なフィーリング。
また、特筆すべきは打ち出しの高さです。7番でロフト角30度は最近のアスリートアイアン並みに寝ているので、ヘッドスピードが遅くてもキャリーで飛ばして止まる球が打てます。G425は球を曲げたくない人はもちろん、飛び系アイアンを試したけれど期待したほど飛ばなかった人にもおすすめできるアイアンです。
発売年 | 2020年 |
ヘッド素材 | ハイパー17-4ステンレススチール |
仕上げ | パールクローム |
ロフト角(#7) | 30° |
ライ角(#7) | 62° |
定価(1本)スチール | 19,800円 |
G710

G710アイアンはかまえたときに安心のあるラージサイズの中空アイアンです。飛び系でありながらロフトは7番で28度とさほど立っておらず高い打ち出し角が得られるところが長所。
一方、フェースには高強度・高反発のC300マレージング鋼が採用されており、ボール初速もさらにロフトの立ったアイアンに負けていません。
また、ピンの歴代アイアンの中でも慣性モーメントは最大級。打点のブレに強く、初中級者が安定した弾道で飛ばせます。弾きが強く打感は硬めですが、手に伝わる振動はさほど大きくなく爽快なフィーリングが味わえます。
飛び系では珍しいブラック仕上げにより、大きさの割に引き締まって見え、かまえたときもバッグに入れたときも精悍な印象です。
発売年 | 2020年 |
ヘッド素材 | マレージング鋼C300(フェース) 17-4ステンレススチール(ボディ) |
仕上げ | ハイドロパールステルス |
ロフト角(#7) | 28° |
ライ角(#7) | 62° |
定価(1本)スチール | 25,300円 |
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まとめ
アベレージモデルからツアーモデルまで、それぞれのユーザーニーズに応じた寛容性を追求しているのがピンのアイアンです。
ラインナップも多く、新旧合わせるとたくさんのモデルが候補に並びますが、シリーズごとのコンセプトや商品構成に一貫性があり、自分が求めるモデルを選びやすいところもピンの魅力です。技術や体力、プレースタイル、予算に合わせて最適なアイアンを見つけましょう。
ゴルフドゥ!オンラインショップ監修
2024年12月
記事編集者プロフィール
ゴルフドゥ!オンラインショップ編集部
会社名 | 株式会社ゴルフ・ドゥ |
所在地 | 埼玉県さいたま市中央区上落合2-3-1 |
会社設立 | 2000年4月 |
お問合せ | https://www.golfdo.com/inquiry/ |