
クリーブランドのウェッジは、タイガー・ウッズや松山英樹のマスターズ初優勝にも貢献し、世界中のツアープロに数え切れないほどの勝利をもたらしてきました。
また、20年以上もロングセラーを続けたツアーアクション588をはじめとする歴代モデルは、正統派アメリカンウェッジの代表格としてアマチュアゴルファーからも多大な人気を集めてきました。
目次
クリーブランドとはどんなブランド?

クリーブランドゴルフはウェッジの巨匠、ロジャー・クリーブランド氏によって1979年に設立されたゴルフクラブメーカーです。
クラシッククラブの復刻モデルの製造から始まり、1988年にツアーアクション588を発売。同モデルの完成されたティアドロップ形状は、その後登場した多くのウェッジの原型となっています。
2007年からは日本のダンロップの傘下に入り、伝統的な形状とフェースミーリングなどハイテクを融合させたウェッジCGシリーズやRTXシリーズを送り出してきました。
また、日本ではウェッジが突出して有名ですが、米国ではドライバーからパターまで展開する総合クラブメーカーとして確固たる地位を築いています。
最近のクリーブランドウェッジの人気シリーズ
クリーブランドのウェッジでもっとも人気が高いのは、ツアープロの使用者も多いRTXシリーズ。RTXの派生モデルのRTX FORGEDやRTX FULL-FACEシリーズも中上級者に人気があります。
また、SMART SOLEとCVXシリーズは初中級者でもやさしく打てるモデルです。
RTXシリーズ
RTX(ローテックス)は従来のCGシリーズ(CG10-CG17)に代わって2013年に登場した新しいシリーズです。初代のモデル名588 RTX/588 RTX CBが示す通り、希代の名器ツアーアクション588の美しいティアドロップ形状を受け継ぎながら、新たにローテーションテクノロジー(RTX)を搭載したモデルとして誕生しました。
RTXはフェース面に同心円状のミーリングを施す技術で、フェースをどのように開いても安定したスピンが得られるため、プロや上級者がテクニックを存分に発揮できるウェッジとなっています。RTXシリーズはほぼ2年おきにモデルチェンジを繰り返し、2023年に6代目のRTX 6が発売されました。
また、RTXには派生モデルとして グローバル展開のRTX FULL-FACEシリーズと日本市場向けのRTX DEEP FORGEDシリーズがあります。
RTX FULL-FACEはフェース全面に溝が配置されたトゥヒットに強いモデル。RTX DEEP FORGEDは従来のRTX FORGEDよりもフェースの打点部分を厚くして打感を向上させたモデルです。
スマート ソール シリーズ
RTXと同じ2013年に誕生したSMART SOLEシリーズは、対照的に初中級者が特別なテクニックを使わなくてもショートゲームを楽しめるように作られたウェッジです。
特徴的なワイドソールによってアプローチでもっとも多いミスであるダフリは激減。ピッチショットが打ちやすいチッパータイプのType-C、バンカーからの脱出に特化したType-S、両者の間を埋めるギャップウェッジのType-G、フェースを開かずにロブショットが打てるType-Lというシンプルな商品構成は、自分の弱点や打ちたいショットに適したクラブを迷わず選べるという利点もあります。
SMART SOLEシリーズはほぼ3年おきにモデルチェンジされ、2024年発売のSMART SOLE FULL-FACEは5代目に当たります。
クリーブランドウェッジの選び方は?
クリーブランドウェッジは初心者向けからプロ・上級者用までラインナップが豊富。スキルやプレースタイルに応じて最適なモデルを選ぶことができます。
選び方1:ヘッド
クリーブランドのウェッジには、高度なテクニックを生かせるプロモデルからオートマチックに寄せられるアベレージモデルまで様々なシリーズがあります。
とくに精度の高いアプローチを追求したいプレーヤーにおすすめなのはヘッドがコンパクトで操作性の高いRTXやRTX FULL-FACEシリーズです。操作性だけでなく打感にもこだわるプレーヤーには軟鉄鍛造ヘッドのRTX DEEP FORGEDシリーズが最適でしょう。
また、単品ウェッジを使いたいけれどミート率に自信のない人は、キャビティバックのCVXシリーズを選べばある程度ミスショットはカバーしてくれます。
アプローチにまったく自信がない人や状況に関わらずシンプルに打ちたい人にはSMART SOLEシリーズがあります。
選び方2:ロフト角
RTXとCVXシリーズは46度から60度まで、RTX DEEP FORGEDシリーズには48度から60度まで、それぞれ2度刻みでロフトバリエーションが用意されています。その中からロフト角を選ぶ際には、アイアンセットのPWとバンカーショットで使いたいウェッジのロフト角を基準にして、ロフト角で4〜6度、飛距離で10~15ヤードの階段を作りましょう。
なお、フェースを開いて使う前提で設計されているRTX FULL-FACEのロフト角は50度から60度までと64度。50度未満のウェッジを入れる場合はRTXや RTX DEEP FORGEDシリーズと組み合わせるのがおすすめです。
選び方3:ソールグラインドとバウンス角
RTXシリーズではソールグラインドとバウンス角は完全に紐付けられており、ハイロフトモデルはLOW(ローバウンス)、MID(ミッドバウンス)、FULL(ハイバウンス)の3タイプから選ぶことができます。
トゥ、トレーリングエッジ、ヒールがCの字状に削られたLOWはボールを真ん中に置いてレベルブローで当てるスイングに向いており、固い地面でもボールをクリーンに拾うことができます。
オーソドックスなグラインドのFULLはボールを右に置いてダウンブローに当てるタイプに向いていて、軟らかい地面に適しています。
また、両者の中間のMIDはレベルブローにもダウンブローにも適応し、地面の硬さも選ばない万能タイプです。その他のシリーズではロフト角ごとのシチュエーションに最適なグラインドとバウンス角が与えられています。
《中上級者向け》クリーブランドの人気ウェッジ
クリーブランドの中上級者向けウェッジには、グローバルモデルのRTX、ハイトゥタイプのRTX FULL-FACE、日本市場向けのRTX DEEP FORGEDシリーズがあります。
RTX 6 ZIPCORE

RTXシリーズ6代目のRTX 6 ZIPCOREはブルックス・ケプカを始めトッププロも多く使用するクリーブランドウェッジのフラッグシップモデルです。
RTX 6 ZIPCOREでは、ロフト別に異なるブラスト仕上げとフェースミーリングを行う「HYDRAZIP」フェースと深く狭い「ULTIZIP」グルーブ(溝)により、とくにウェットコンディションにおけるスピン性能が大幅に向上。
また、ネック内部のセラミックピンの大型化により上下方向のヘッド慣性モーメントが20%もアップ。ライの変化や上下方向のミスに強く、さらに安定した弾道と距離感でターゲットをねらえるウェッジとなっています。
ソールグラインドは54度と56度がLOW+、MID、FULL。58度と60度はLOW、MID、FULLの3種類がラインナップされています。
発売年 | 2023年 |
ヘッド素材 | 軟鉄 |
仕上げ | ツアーサテン、ブラックサテン |
ロフト角 (°) | 46、48、50、52、54、56、58、60 |
中古価格相場 | 10,000~15,000円 |
RTX FULL-FACE 2

RTX FULL-FACE 2は、フェースを開いて打つバンカーショットやロブショットの打ちやすさを追求したモデルです。見た目の特徴であるハイトゥデザインとフェース全面の溝によって、大きく開いたときでもフェース面を広く使うことができ、しっかりスピンを効かせたショットが打てます。
また、ネック内側にインサートされた軽量セラミックピンとキャビティデザインにより、上下方向の慣性モーメントがアップ。フェースを開いたときに起こりがちな上下の打点ミスをカバーしてくれます。
さらに、ロフト別の「HYDRAZIP」フェースや深溝の「ULTIZIP」グルーブなどの最新テクノロジーも搭載され、ラフや濡れた芝など悪いコンディションにも強いウェッジとなっています。
発売年 | 2024年 |
ヘッド素材 | 軟鉄 |
仕上げ | ツアーサテン |
ロフト角 (°) | 50、52、54、56、58、60、64 |
中古価格相場 | 10,000~14,000円 |
RTX DEEP FORGED 2

RTX DEEP FORGED 2は日本市場向けに開発された軟鉄鍛造モデルで、とくに打感にこだわる人や寛容性を求める人に最適なウェッジです。軟鉄の中でもやわらかいS20C素材を採用するとともに打点部分の裏側を肉厚に設計することで、ソフトなフィーリングと繊細な距離感を実現しています。
さらに、RTX 6 ZIPCORE同様、ロフト別に最適化された表面加工「HYDRAZIP」と深くて狭い「ULTIZIP」グルーブ(溝)も採用され、ラフやウェットコンディションにおいても高いスピン性能を発揮してくれます。
また、フェースが大きめで安心してかまえられるところもこのモデルの特徴。ややグース感のある顔と広めのソール幅により、上から打ち込んでも、横から払い打っても使える万能型のウェッジといえます。
発売年 | 2023年 |
ヘッド素材 | 軟鉄 |
仕上げ | ツアーサテン |
ロフト角 (°) | 48、50、52、54、56、58、60 |
中古価格相場 | 12,000~19,000円 |
RTX ZIPCORE

RTXシリーズの5代目に当たるモデルですが、新たに搭載されたテクノロジーにちなみ、RTX 5ではなくRTX ZIPCOREと命名されました。
ZIPCOREはネック内部に鉄よりも比重の軽いセラミックをインサート、その余剰重量をトゥ側に配置して重心位置をヒールからセンターに寄せるテクノロジーです。ゴルファーの打点と重心を近づけることで、オフセンターヒット時の初速、打ち出し角、スピン量のバラつきを減らし、アプローチの精度を向上させてくれるウェッジです。
また、歴代RTXの中で溝がもっとも深く、ラフや濡れた芝でもスピン量が安定していることも特徴です。ソールグラインドは54度がMIDとFULLの2種類。56、58、60度はLOW、MID、FULLの3種類から選ぶことができます。
発売年 | 2020年 |
ヘッド素材 | 軟鉄 |
仕上げ | ツアーサテン、ブラックサテン |
ロフト角 (°) | 46、48、50、52、54、56、58、60 |
中古価格相場 | 8,000~12,000円 |
《初中級者向け》クリーブランドの人気ウェッジ
上級者向けで難しいイメージのある単品ウェッジですが、クリーブランドのウェッジは初中級者向けモデルも充実しています。
スマート ソール FULL-FACE

SMART SOLE FULL-FACEは、アプローチが不得手な人のためのSMART SOLEデザインと、上級モデルRTXシリーズのテクノロジーを融合させたウェッジです。
バリエーションは、パターと同じストロークで打てるチッパー型のTYPE-C(ロフト=42度)、ボールを上げやすいTYPE-G(50度)、超ワイドソールでバンカーから容易く脱出できるTYPE-S(58度)、難しいテクニックを使わなくてもロブショットが打てるTYPE-L(64度)の4種類。
前作よりも大型化されたヘッドとフェース全面に彫刻された溝により寛容性がアップすると同時に、フェースとボールの食いつきをよくする「HYDRAZIP」と「ULTIZIP」によりスピン性能もアップ。初中級者でもやさしくカップをねらえるウェッジとなっています。
発売年 | 2024年 | |||
ヘッド素材 | SUS431 | |||
仕上げ | サテン+ミラー | |||
モデル | TYPE-C | TYPE-G | TYPE-S | TYPE-L |
ロフト(°) | 42 | 50 | 58 | 64 |
バンス角(°) | 3 | 2 | 2 | 2 |
中古売価相場 | 9,000~14,000円 |
スマート ソール 4

SMART SOLE 4はアプローチやバンカーショットが苦手なプレーヤーのために設計されたウェッジです。ラインナップは、花道やラフなどグリーン周りからピッチショット打ちやすいTYPE-C(ロフト=42度)、ボールをやさしく上げて手前のハザードを越えられるTYPE-G(50度)、バンカーからオートマチックに脱出できるTYPE-S(58度)の3タイプ。
いずれも幅が広く丸みのあるソール形状が採用され、多少手前からヘッドが入ってもダフらせずボールに当てることができます。また、タイプCはレングスが短くパターのようなストロークで寄せることができます。オリジナルシャフトとして男性向けのスチールと女性向けのカーボンが用意されています。
発売年 | 2020年 | ||
ヘッド素材 | SUS431 | ||
仕上げ | ツアーサテン | ||
モデル | TYPE-C | TYPE-G | TYPE-S |
ロフト(°) | 42 | 50 | 58 |
バンス角(°) | 4 | 1 | 1 |
中古売価相場 | 10,000~15,000円 |
CVX ZIPCORE

CVX ZIPCOREは、ウェッジにも寛容性を求めるアマチュアプレーヤーのために開発されたキャビティバックモデルです。キャビティ効果に加え、ネック部に軽量セラミックのZIPCOREをインサートすることで、上下左右のヘッド慣性モーメントがアップ。同時にヘッドの重心位置もアマチュアの打点に合わせて設定されているため、打点のミスに強くなっています。
また、ソールグラインドはロフト別設計で、46度〜52度がフルショットでダフりにくい形状、54度と56度はバンカーで開きやすい形状、58度は抜けがよく球が上がりやすい形状。ロフトピッチを揃えるだけであらゆる距離と状況で安定したショットが打てるシンプルなコンセプトで、単品ウェッジ初心者にも選びやすいウェッジです。
発売年 | 2022年 |
ヘッド素材 | SUS431 |
仕上げ | サテン |
ロフト角 (°) | 46、48、50、52、54、56、58 |
中古価格相場 | 8,000~15,000円 |
CVX 2 ZIPCORE

CVX 2 ZIPCOREは、前作(CVX ZIPCORE)のコンセプトをそのまま受け継ぎ、アイアンでやさしいキャビティを選ぶゴルファーが背伸びをしなくても使えるウェッジとして作られました。
前作よりもひとまわり大きくなったヘッドサイズ、ZIPCOREインサートとキャビティデザインの改良により上下左右のヘッド慣性モーメントがアップ。重心位置をアベレージゴルファーの打点に近づけたことで、とくにアマチュアにありがちなトゥ側のミスヒットに強くなり、安定した弾道と飛距離を実現しています。
また、上級者モデルRTX6 ZIPCOREに採用されたフェーステクノロジー「HYDRAZIP」と「ULTIZIP」も搭載され、キャビティでありながら高いスピン性能を発揮するウェッジとなっています。
発売年 | 2024年 |
ヘッド素材 | SUS431 |
仕上げ | ツアーサテン |
ロフト角 (°) | 46、48、50、52、54、56、58 |
中古価格相場 | 12,000~20,000円 |
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まとめ
クリーブランドウェッジの最大の魅力はウェッジとして完成された美しい顔ですが、ラインナップの多さも人気を集めている理由です。
ゴルフを始めばかりのビギナーからメジャーで優勝するツアープロまで、あらゆるレベルのゴルファーのニーズに応え、アプローチでスコアアップを実現してくれるモデルが用意されています。
一方、ソールグラインドのバリエーションは必要にして十分な数に集約されているので選ぶときに迷ったり失敗したりすることが少なくなっています。
ゴルフドゥ!オンラインショップ監修
2025年1月
記事編集者プロフィール
ゴルフドゥ!オンラインショップ編集部
会社名 | 株式会社ゴルフ・ドゥ |
所在地 | 埼玉県さいたま市中央区上落合2-3-1 |
会社設立 | 2000年4月 |
お問合せ | https://www.golfdo.com/inquiry/ |