ゴルフクラブの中でも有用なユーティリティ。お役立ちクラブとして活用する方も増えています。この記事ではユーティリティの特徴や性能と最新2024年のおすすめランキング10選をご紹介します。
ゴルフを始めたばかりの初心者の方にも分かりやすいように、ユーティリティの歴史や役割、特性についてもご説明します。ヘッドの形状やシャフトの素材、メーカーなど選び方は様々ありますが、それぞれのポイントについてお伝えします!
ゴルフクラブのユーティリティとは?
ゴルフクラブの名前につけられた英単語の「utility」は、万能・役に立つ・実用的などと訳され、ゴルフのユーティリティもこの意味の通り扱いやすく、有用なクラブとして開発されました。
ティーアップされていない2打目を打つ際に飛距離を伸ばすために用いられるフェアウェイウッドと方向性をコントロールしやすいアイアンの中間にあたるクラブと言えるでしょう。
またユーティリティはアイアンでは難しいような長めの飛距離を出すための、お役立ち・お助けクラブという役目から別名「レスキュー」、フェアウェイウッドとアイアンの中間の役割をすることから、海外などでは「ハイブリッド」と呼ばれることもあります。
ユーティリティの誕生の歴史
ユーティリティが誕生したのは1980年代。1990−2000年前後に市場に出回るようになったと言われ、ゴルフの長い歴史の中ではかなり新しいことがわかります。
当たり前になった今でこそ、ユーティリティがないと困る!というプレーヤーも多くいると思いますが、登場以前はシャフトの長い2番アイアンや3番アイアンが使用されていました。
しかし、このロングアイアンはヘッドも小さくインパクトすることが難しかったことからユーティリティが誕生しました。
初心者必見!ユーティリティの選び方
ここからはユーティリティを選ぶコツやその性能についてポイント別に説明していきます。まだユーティリティを使ったことがないという方も、こちらを参考にしながら、ぜひ自分に合ったクラブを見つけてくださいね。
ヘッド形状の種類で選ぶ
ユーティリティのヘッドの形状は、ウッド型とアイアン型の2種類に大きく分けられ、初心者であればウッド型がおすすめです。
ウッド型のユーティリティは、ヘッドが大きく丸みを帯びたフォルムが特徴。ヘッドが大きい分、スイートエリアと呼ばれる芯の部分が広く、フェアウェイウッドよりもシャフトが短いためボールにミートしやすいことに加え、アイアン型よりもボールが持ち上がりやすく飛距離がでやすい作りになっています。
地面を叩いてしまうミスショットにも比較的強いので、スイングが安定しない初中級者にも優しいと言えるでしょう。
アイアン型もロングアイアンと比較してボールが上がりやすい作りになっており、アイアンのような形状のため強い弾道のボールを打つことができます。
パワーがある男性の方やより方向性を重視したい方はアイアン型ユーティリティがおすすめです。
シャフトの素材で選ぶ
クラブのヘッドにつながる棒の部分であるシャフト。ゴルフクラブはスイングするときにシャフトがしなることでインパクトに力が加わりボールが飛んでいきます。
シャフトにはカーボン製とスチール製の2種類があり、カーボンシャフトの方がやや軽く、スチールシャフトの方がやや重たい作りになっています。
初心者の方におすすめしたいのはカーボン製。カーボン製のシャフトはその軽量感からも想像できる通りスイング時のしなりが大きくなるためヘッドに加わる力も大きくなり、飛距離が出やすくボールも上がりやすくなります。
スチール製は先ほど説明したアイアン型のユーティリティに使われていることが多く、操作性に優れています。アイアンの方が得意な方や重さのあるクラブでぶれないスイングを目指したいという方にはこちらがおすすめです。
フェアウェイウッドとアイアンの中間のロフトを選ぶ
ロフトとはクラブを地面に置いたときに、垂直線とフェースの平面部分が成す角度のこと。ユーティリティに付けられた番手が同じでも、メーカーによってこのロフトの角度が異なることもあるので注意が必要です。
ユーティリティを選ぶ際には、使用したいフェアウェイウッドとアイアンの中間のロフト角のものを選ぶと良いでしょう。
なぜなら、先述の通りユーティリティはフェアウェイウッドよりも短く、アイアンよりも長い飛距離を出したいときに活躍してくれるクラブであるからです。
目安としては、前後2〜4度のロフト角が好ましいでしょう。ユーティリティを数本入れる場合はロフト角の差を3〜4度にするのがおすすめです。(ロフトが18度のウッド、25度のアイアンの場合、ユーティリティはロフトが20度と23度のものを選ぶなど。)
フェーズプログレッション(FP)で選ぶ
フェーズプログレッションとはシャフトの中心線とリーディングエッジと呼ばれるフェースの最下部までの水平距離を表した数値です。
FP値とも言われ、シャフトに対してリーディングエッジが一直線になっている状態を0mm、ボールの進行方向に出っ張っているとその数値はプラスになります。ウッド型はFP値が大きく、アイアン型は小さいイメージです。
またその見た目から、FP値がプラスのものをストレートネック、マイナスのものをグースネックとも言います。
FP値が大きいほどスイートスポットが狭いため難易度はやや高くなりますが、ボールが上がりやすくコントロールにも強くなります。
対してFP値が小さいとボールにしっかりとミートしやすく安定したショットを狙うことができます。特性を理解しご自身に合ったものを選びましょう。
ユーティリティの代表的なメーカー10選
アマチュアからプロまでゴルファーに人気のユーティリティを発売している代表的な国内・海外メーカーを人気順に10社ご紹介します
テーラーメイド
4大ブランドの1つでもあるテーラーメイドは、2022年~2023年に渡り、中古クラブ市場のユーティリティで圧倒的な販売本数と人気を誇るメーカーです(ゴルフ・ドゥ!調べ)。
テーラーメイドは毎年新作を発表するため、昨年出たばかりの新しいクラブがすぐ旧モデルになり、その結果中古価格も早く下がるのが売れている要因の1つです。
ちなみにテーラーメイドではユーティリティを「レスキュー」と呼び、強弾道のモデルが多く揃います。
ピンゴルフ(PING)
こちらも4大ブランドの1つであるピンゴルフは「前作を超えなければ新作は出さない」という姿勢を頑なに貫き、ユーティリティを「ハイブリッド」という名で販売しています。
ピンのハイブリッドにはG25やG410など名器と呼ばれるものが多く、その特徴を一言で表すと「ゴルフが簡単になる」。高く上がって真っすぐ飛ぶ性能は、ドライバーが苦手な初中級者のティーショットにも使える心強い味方です。
ダンロップ
スリクソンやゼクシオで知られる日本のゴルフメーカーで、初級者から上級者、老若男女までとにかく「対象ゴルファーの許容範囲が広い」のがダンロップです。
ミスに強く女性や初級者まで使えるゼクシオから、球を操れる上級者向けのスリクソンまで、様々なニーズに応えてくれる懐の広さが魅力的です。
10年以上前に発売されたユーティリティが、いまだに人気なのもダンロップが作るクラブの実力を物語っています。
キャロウェイ
石川遼プロなどが使用しているキャロウェイが作るクラブは、ゴルファーが求める”飛び”と”優しさ”のどちらかに偏り過ぎることなく、両者のバランスにとても優れているのが特徴的です。
中でもユーティリティはつかまりが良いのに左へのチーピンにはなりにくいものが多く、打感や打音も心地よい為、フィーリングを大切にするゴルファーによく愛用されます。
また他ブランドと比べて種類がとても多いので、細かい好みに対応できるのも嬉しい部分です。
ブリヂストン
日本人のスイングに合うヘッドを作らせたら右に出るものはいないと言って良いのがブリヂストン。海外ブランドのユーティリティと比べると、とてもつかまりが良いのも特徴です。
最新作のBシリーズや、アスリート志向のTOUR B、初心者にも優しいJGRなども人気がありますが、実は10年以上前の「ツアーステージ」シリーズが今も密かに人気のユーティリティだったりします。中古市場でのコスパも非常に良く掘り出し物も多く見つかります。
タイトリスト
タイトリストのユーティリティは、初心者や女性は少し慎重に検討する必要があります。決して難し過ぎるわけではないのですが、簡単に上がる・捕まるといったオートマチックな性能でもないので、ある程度の技術としっかりした持ち球が求められます。
そこをクリア出来ると一転してピンポイントで狙えるクラブに変身します。まさにツアープロからのフィードバックで作られた「勝つためのユーティリティ」です。
本間ゴルフ
日本のゴルフメーカーとして、職人の匂い漂う玄人好みのブランドですが、実はユーティリティに逸品が多いメーカーでもあります。
上級者にはツアーワールドシリーズ、初・中級者にはBERES(ベレス)シリーズがありますが、どちらも高評価な理由は「純正シャフト」の素晴らしさ、直進性が高く高弾道の球が非常に打ちやすいと評判です。あまり知られていないので人と違うものを持ちたい方には大変おすすめです。
プロギア(PRGR)
横浜ゴムが手掛けていブランドのユーティリティは開発意図やデザインがとてもユニーク。それでも売れているということからも性能の高さが伺えます。
中上級者用のRS/LSシリーズよりも、深いラフやフェアウェイバンカーからのショットを簡単にする「Qシリーズ」や、初級者にターゲットを絞り込んだ「eggシリーズ」のほうが中古市場では人気があります。まさに”お助けクラブ”を地で行くのがPRGRのユーティリティです。
キャスコ
ゴルフボールの「KIRA」や、バンカー用ウェッジ「ドルフィンシリーズ」などで有名な日本のゴルフメーカー。会社理念にある「楽しいゴルフ宣言」の通り、エンジョイゴルファーが喜ぶギアを多く発売しているのがキャスコです。
ユーティリティもお助け機能が多く、共通するのは「とにかく球が上がりやすい」ということ。ヘッドスピードが足りずユーティリティが苦手な方に、とてもおすすめのメーカーです。かつては「パワートルネードシリーズ」がユーティリティ市場を席捲しました。
グローブライド(オノフ)
グローブライドは釣り具のダイワで知られる、日本のスポーツメーカーです。「フォーティーン」もグローブライドのブランドですが、ユーティリティで人気なのは「オノフ(ON/OFF)」というブランドのほうです。
初心者にも優しい大き目ヘッドの「AKA」、アスリート向けのコンパクトヘッド「KURO」と2種類あり、どちらもデザインが凄くおしゃれで、女性にとても人気があるブランドです。
ユーティリティ人気おすすめランキング10選
一般公開している在庫だけで13万本を超えるゴルフドゥ!オンラインショップで売れているユーティリティ最新10選をご紹介します。
各ユーティリティの特徴や、重心距離や慣性モーメント値、中古での最安値もご案内しますので、ぜひクラブ選びの参考にしてください。
※<スペック>の数値は個体差がある場合がございます
1位 G425 ハイブリッド|ピンゴルフ
PINGが得意とする「高慣性モーメント」をかつてないほど高め、打点による飛距離のバラつきを抑制。また前作までクラウンにあった空気抵抗を減らすタービュランス(突起)を無くし、大き目の顔がスッキリ見えるようになりました。弾道調整機能(カチャカチャ)も嬉しいポイントです。
ピンのハイブリッドに共通する「女性や初心者でも簡単に球が上がる」はもちろん健在。強すぎない球で、上からズドンとピンを狙っていけます。ロフトが34°の7番ハイブリッドまで用意している選択肢の広さも、このG425の人気を支えている要因の1つです。
2位 STEALTH(ステルス) レスキュー|テーラーメイド
クラウン部分をカーボンにすることでの低・深重心化。高い直進性のツイストフェース。地面からの摩擦を軽減するVスチールソールなど、ドライバーで培った技術を下の番手に落とし込んでくるテーラーメイドの技術が凄い1本。
フェースはカーボンではなくスチールです。ステルス系レスキューの特徴は「球が強い」ところ。低スピンでも高さは十分に出ますので、天候に左右されることなくピンを狙いやすいクラブと言えます。
ドライバーがダメだった方も、このレスキューはのちに名器と呼ばれる可能性がある秀作ですので一度お試しください。
3位 SIM2 MAX レスキュー|テーラーメイド
兄弟モデルの「SIM レスキュー」と比べて投影面積が大きいウッド形状で、構えた段階で優しさを感じます。ツイストフェースに加え、Vスチールソールを搭載していることにより、直進性の高い高弾道で、ダフリにも強いユーティリティです。
新旧のモデルと比較すると、新作ステルスよりは球が上がりやすく、高弾道からの着弾で止める球を打ちやすい印象。また旧作SIM MAXよりはつかまりが良く、右へのすっぽ抜けを防止したいゴルファーを助けてくれます。
中古価格もかなり安くなってきたため、程度の良いものを狙うなら今がおすすめです。
4位 SIM MAX レスキュー|テーラーメイド
驚くことに、人気上位4つのうち3つがテーラーメイドのユーティリティ(レスキュー)です。このSIM MAXはPGAツアーで松山英樹プロも使っていたモデルとなります。
テーラーメイドは新シリーズに切り替わった最初のモデルは少しハードスペックな印象があります。SIMシリーズの初代なので、SIM2と比べると女性や初心者は少し難しさを感じるかもしれません。ただ左につかまりすぎないヘッドなので、右に球を集めていきたいフェードヒッターや上級者にはとてもおすすめです。
5位 G410 ハイブリッド|ピンゴルフ
ピンのG400、G410、G425は3兄弟のような捉え方をされることが多く「スライスに悩む方へのG400」「フックに悩む方へのG425」「その中間バランスのG410」という印象があります。
そしてこのG410は重心がかなり低いモデルです。それは歴代の中でも球を上げやすいヘッドであることを意味します。ユーティリティにぶっ飛びは求めていない、という方にはとても助かる設計です。
PINGは毎年のように新作を出すブランドではない為、中古でも値崩れは小さいですが、それだけ熟成されているクラブと言えるかもしれません。
6位 M6 レスキュー|テーラーメイド
Mシリーズ最後になったM6レスキュー。飛距離性能を高めるスピードポケットだけでなく、ドライバー以外にまでツイストフェースを新搭載し、シリーズの中で最もオートマ系のやさしさを持っているモデルです。
直進性の高い中弾道の棒球が打ちやすく、どちらかと言うとつかまりが良いモデルです。ただ「つかまり過ぎ」は出にくいので、こうしたところが今も上級者にまで好んで使われている理由の1つでもあります。
純正のカーボンシャフトであれば女性や初級者でも十分良さを引き出せるユーティリティです。
7位 ゼクシオ11(XXIO ELEVEN) ハイブリッド|ダンロップ
ドライバーの平均ヘッドスピードが30(m/s)台であれば、まず第一候補として考えたいのがゼクシオのハイブリッドです。この11代目の大きめヘッド&フックフェイスに、打点が下でも球が上がってくれるゼクシオならではのヘッド性能は、頭の中からミスのイメージを消してくれます。
さらに、軽量ヘッドと軽量シャフトの組み合わせに、グリップエンドだけ重くした「ウェイトプラステクノロジー」で、スイングの「振り切れる感」や「ヘッドの走り感」が明らかに変わるので驚きです。女性や初中級者は純正シャフトでぜひお試しください。
8位 M4 レスキュー|テーラーメイド
いまだにドライバーが人気のM4はハイブリッドも人気が続いています。ツイストフェースなどの目新しい新技術はないものの、アップライト気味なので自然なつかまりがあり、頑張らなくても真っすぐの強弾道を打ちやすいのは流石テーラーメイドです。
惜しむらくは打感・打音があまり良くありません。ただそれを補って余りあるオートマチックな性能と直進性は、このクラブを選ぶのに十分な理由になります。
出来るだけ安く良いクラブを揃えたい初中級者で、特に男性の方には大変おすすめです。
9位 ゼクシオ9(XXIO)|ダンロップ
2015年に発売されたユーティリティです。もう少し新しい「XXIO10」よりこの9代目のほうが売れているのは、歴代ゼクシオのユーティリティの中で、最も高い慣性モーメントだということが関係しているように思います。
慣性モーメントが高いとミスヒットした時にヘッドがブレにくく、意図しないスピンや出玉が少なくなります。このゼクシオ9は「どこに当たっても縦距離が変わらない」という声が確かにとても多いのです。打点が安定しない方や、ラフや傾斜地からのショットが苦手な方には、こちらの9代目がとてもおすすめです。
10位 TOUR-B(ツアーB) X-H|ブリヂストンゴルフ
こちらは正真正銘のアスリートモデル。重心角は多めながら、逃がし顔のオープンフェースで左へのミスを抑える意図があり、慣性モーメントを抑えて操作性を高くしていることからも、自在に球を曲げて攻めるゴルファーを対象にしているのが分かります。
上級者は、曲げようとしたのに真っすぐ行ってしまうことを嫌います。また最も嫌がるのが逆方向へ曲がる「逆玉」です。そんなミスが出づらく、ゆったり振れば棒玉で、しっかり振ればスピンが入る。こうしたスイングや打点で操る技術を持ったゴルファーにとっての優しいクラブです。
まとめ
いかがだったでしょうか。この記事ではユーティリティの特徴や性能と最新のおすすめランキングを紹介しました。ゴルフを上達させるには練習を重ねながら自分の課題や癖を修正していくことが大切ですが、自分に合った道具を使うことも同じくらい大切です。
ユーティリティをうまく使いこなすことができれば、様々な距離を打ち分けることが可能になります。この記事を参考にしながら、ぜひ自分にフィットしたものを見つけてみてくださいね!
ゴルフドゥ!オンラインショップ監修
2024年1月