
ユーティリティの番手ごとに飛距離を詳しく知りたい方もいるでしょう。そこで本記事ではユーティリティの飛距離を番手やロフト角、ヘッドスピードといった観点から詳しくまとめました。
またユーティリティで飛距離が出ない原因や、打ち方のポイントも合わせてご紹介します。
フェアウェイウッドやアイアンで飛距離のコントロールに困っている人には、ユーティリティがきっと役に立ちます。
目次
ユーティリティとは?

ユーティリティとは、ウッドとアイアンの中間的な特徴を持つクラブで、初心者でも扱いやすいことから人気があります。
1990年代にロングアイアンに代わるクラブとして登場し、打ちやすく飛距離も出しやすいことからプロから初心者まで多くのプレーヤーが活用しています。
使用シーンとしては、フェアウェイウッドとアイアンで迷ったときや、苦手意識のあるクラブの代替などに多く用いられます。
フェアウェイウッドよりも扱いやすく、飛びやすい
ユーティリティはフェアウェイウッドよりもシャフトが短いことが特徴です。またヘッドも小さくて操作性が高いため打ちやすく、ミスを起こしにくい設計になっています。
シャフトが短いと飛距離も短くなると思いがちですが、近年の技術開発によってフェアウェイウッドと遜色ない力を発揮するクラブが増えています。
フェアウェイウッドが苦手な場合や、ラウンド中ウッドの調子が悪い時などはユーティリティに持ち替えてみるとうまくいくかもしれません。
アイアンよりも大きな飛距離をコントロールしやすい
ユーティリティは男性平均で150~190ヤードくらいを目安に細かく飛距離をコントロールできる精密性の高いクラブです。しっかりコントロールしたいけれど、アイアンでは少し物足りない、といったシーンで役に立ちます。
特にヘッドが小さいタイプのものはアイアンと同じようなボールコントロールしやすさがあり、さらに飛距離も正確に刻みやすいのが特徴です。このヘッドの形状のタイプについては次に説明します。
アイアン型とウッド型の違い
ユーティリティにはアイアン型とウッド型があり、基本的にはヘッド形状設計がアイアン・フェアウェイウッドのどちらに似ているかで分類されています。
大きな特徴としては、ウッド型は飛距離を出すことに優れ、アイアン型はラフなどの悪環境での打ち出しや、先述の通りコントロール性にも優れています。
アイアン型とウッド型は同じ番手で持っていても使い分けができます。ユーティリティをゴルフセットに入れるときには目的に合わせて決めましょう。
▶豆知識 タイプ別ユーティリティの打ち比べ! ウッド型とアイアン型はどう違う?
ユーティリティの飛距離はどのくらい?
ヘッドのタイプや番手など、どんなユーティリティーをクラブセットに入れると有効的であるかを判断する上で、目安の飛距離を把握することが重要です。ここではユーティリティの飛距離を変える要素を別の目安を解説します。
番手・ロフト角別
ユーティリティは番手によって標準的な飛距離が異なります。それぞれの平均目安は、3番UTで190ヤード、4番UTで185ヤード、5番UTで175ヤード、6番UTで165ヤードです。
番手 | 3番 | 4番 | 5番 | 6番 |
ロフト | 19° | 22° | 24° | 26° |
飛距離 | 190 | 185 | 175 | 165 |
番手で選ぶ際の注意事項としては、メーカーによって同じ番手のユーティリティでもスペックが違うということです。
番手ごとの目安が分かったら、購入前に必ずロフト角を確認してください。自分のクラブセットを確認し、ウッドとアイアンの間に値するものを選ぶと良いでしょう。基本的にはロフト角が小さいユーティリティほど飛距離が長くなります。
また、ユーティリティのロフト角を基準にした飛距離は、19°で190ヤード、22°で185ヤード、24°で175ヤード、26°で165ヤードが目安です。ロフト角は番手と相関がありますがメーカーやブランドによる違いが大きいので注意しましょう。
クラブのロフト角の違いは打ちやすさにも影響します。番手とロフト角を組み合わせて考えて、自分にとって扱いやすいユーティリティを選びましょう。
ヘッドスピード別
飛距離を考えるときにヘッドスピードを測定して決めるのも一つの方法です。ゴルフクラブの販売店や一部の練習場などでは、スイングしたときのクラブのヘッドスピードを測定できる場所があり、初心者の方でも気軽に試すことができます。
ユーティリティ使用時のヘッドスピードとして一般的なのは男性で32m/s~40m/sです。例えば、飛距離が出る3番ユーティリティでスイングしたとすると、32m/sでは135ヤード、34m/sでは150ヤード、36m/sでは165ヤード、38m/sでは180ヤード、40m/sでは195ヤードです。番手が小さくなるにつれて、5ヤードから10ヤードくらい飛距離が短くなります。
3番UT | 32 m/s | 34 m/s | 36 m/s | 38 m/s | 40 m/s |
飛距離 | 135 | 150 | 165 | 180 | 195 |
ヘッドスピードを速くすれば良いというわけではありません。自分の力量以上に速く振ろうとするとミスショットにもつながりかねないので、自然にスイングしたときのヘッドスピードでの飛距離がユーティリティで番手・ロフトごとにどのくらいになるかを見極めて使い分けることが重要です。
ヘッドスピードは重心の位置や総重量によっても変化します。そのため、実際に振ってヘッドスピードを測定し、希望する飛距離になるユーティリティを選ぶことが重要です。
レディース
レディースでは多くのメーカーで3番手〜7番手のユーティリティが開発・販売されていて、ロフト角は20〜31度が一般的です。このようなユーティリティでは飛距離は120〜150ヤードが平均目安になっています。
3番では150ヤード、4番では140ヤード、5番では130ヤード、6番では125ヤード、7番では120ヤードが平均的な目安です。それぞれの飛距離についてロフト角は20度、23度、25度、28度、31度が相当します。
番手 | 3番 | 4番 | 5番 | 6番 | 7番 |
ロフト | 20° | 23° | 25° | 28° | 31° |
飛距離 | 150 | 140 | 130 | 125 | 120 |
ただし、これらの数値は女性プレーヤーは男性に比べてパワーが小さくヘッドスピードも遅い、という平均的な男女差を目安にして女性では飛距離が出ないことを前提にしている点には注意が必要です。
レディースは体格や筋力などプレーヤーによるギャップも大きいので、目安は参考程度にし、実際にユーティリティを打ってみて自分が該当するのがどちらかを確認しましょう。
ユーティリティとフェアウェイウッド・アイアンの飛距離を比較
飛距離について比較すると、ユーティリティ、フェアウェイウッド、アイアンでは明確に違いがあります。
基本的にはフェアウェイウッドとアイアンの間の距離を埋めてくれるのがユーティリティです。そのため、フェアウェイウッドでもアイアンでも困ったときにはユーティリティが有用です。
フェアウェイウッドでは飛距離が出過ぎてしまうが、アイアンでは飛距離が足りないという場合や、飛距離の正確さに不安があるというときにもユーティリティが役に立ちます。
ユーティリティの役割を最大限に生かすためにはウッドとアイアンのことを正しく理解し、使い分けることが大切です。ここではユーティリティ・フェアウェイウッド・アイアンのそれぞれについてどのくらいの飛距離の範囲を狙えるのかを比較して解説します。
▶豆知識 フェアウェイウッドとユーティリティの効果的な組み合わせはコレだ!
ユーティリティの飛距離
上記でもお伝えしている通り、ユーティリティの飛距離は男性で165~195ヤード、女性で125~150ヤードが基本的な目安です。この飛距離の目安としてフェアウェイウッドとアイアンの間に位置するのが特徴です。
この飛距離は、アイアン型・ウッド型といったヘッドの形状をはじめ、重量やロフト角によっても大きく変化します。以下に説明するウッドとアイアンでは課題を感じる部分をフォローできるユーティリティを選びましょう。
フェアウェイウッドの飛距離
フェアウェイウッドの飛距離は平均で男性が180~210ヤード、女性が130~160ヤードです。ユーティリティに比べると、フェアウェイウッドは飛距離がでやすいことがわかります。
ただし、フェアウェイウッドはあくまでフェアウェイで打つことを想定しています。芝目が悪い、ラフに入っているというシーンでは、この飛距離はでにくいと考えて良いでしょう。ウッドを使いたい距離感だけど、ボール環境が悪い…という時に活躍するのがユーティリティというわけです。
アイアンの飛距離
アイアンの飛距離は男性で130~190ヤード、女性で90~125ヤードが平均的です。ウッドとは異なり、ラフなどの好ましくないコンディションでもアイアンはソールが狭く、打ちやすく設計されているため、ボール環境に関わらず安定した飛距離が出やすいです。
アイアン型のユーティリティは、このような特徴を持ったアイアンの長所を取り入れていて、悪環境でも好環境でも安定した飛距離を出すことができるのが特徴です。
ユーティリティの飛距離が思うように出ない原因
ユーティリティによって飛距離を伸ばそうとしたのに想定通りにならないことはよくあります。目安の距離と比較してあまりにも差がある場合にはプレースタイルに原因があるかもしれません。その原因と対策をここで確認しておきましょう
ヘッドスピードを上げようと力んでいる
新しいユーティリティを手に入れたから全力で振り切ろうと思ってしまい、腕の力任せになることがありますが、これが飛距離を縮めてしまう原因のひとつかもしれません。
スイングが同じでヘッドスピードが上がれば飛距離は上がりますが、力みすぎでミスショットも増えがちです。
全力でフルショットすることよりも、綺麗なスイングが最優先です。いつも通りの安定したスイングで飛距離を伸ばすという考え方を持ちましょう。
体重移動が大きい
ユーティリティでは体重移動の考え方が少し違います。フェアウェイウッドやドライバーでは自分の重心を意識して体重移動をすることにより、飛距離を飛躍的に出せるようになります。
ユーティリティでも体重移動は必要な要素ですが、飛距離を出そうという意識でむやみに身体を動かすとスイングが安定しません。ユーティリティは自然なスイングで想定通りの飛距離にできるように設計されているので、自然体を保ちましょう。
弾道を上げようと意識しすぎている
ユーティリティは、弾道が低くてもある程度の飛距離を出すことができるクラブです。無理に弾道を上げるようなイメージを持ってしまうと逆にランが伸び悩んでしまいます。
そのためしっかり遠くまでランも伸びやすいダウンブローのボールを意識して使用するプレーヤーも多いのです。
弾道を意識しすぎるとインパクトのブレなど思わぬミスにもつながってしまうので、自然なスイングで正確なミートを目指しましょう。
ユーティリティの打ち方と練習のコツ
自分に合うユーティリティを手に入れた後には打ち方の理解と練習が最重要です。ここではユーティリティのスペックを最大限に活かし、使いこなせるようになるための打ち方と練習のコツを解説します。
スイングイメージをユーティリティに合わせる
ユーティリティにはアイアン型とウッド型がありますが、アイアンやウッドとはシャフトの長さが異なることから同じスイングではうまくいきません。似て非なるものと考えて、ユーティリティに合わせたスイングイメージを身に付けることがコツです。
アイアン型はアイアンよりもシャフトが長いのためスイングスピードを落としても良いのでミートを重視しましょう。ウッド型のユーティリティはフェアウェイウッドよりも重心が浅いので、ややダウンブロー気味のスイングがマッチします。
Y字型を基本としてアドレスする
Y字型アドレスとは、ボールが両足の真ん中に来るように構え、アドレスを取ると両腕とシャフトが「Y」を成すようなスタンスのこと。ユーティリティはこのアドレスでスイングするのが基本です。
ウッドなどではボールを両足の真ん中よりやや左気味に配置し、左腕とシャフトがほぼ真っ直ぐになるような逆K字型でアドレスを取ることが多いので、自然とこの構えになってしまわないように気をつけましょう。
ドリルで練習する
アイアン型やウッド型、ロフト角の違いなど、ユーティリティはクラブによって個性があります。使い慣れるまではゴルフ練習場で練習ドリルをこなすことがコツです。
素振りやハーフショット、片手打ちなどの地道な練習が上達への近道です。ユーティリティは飛距離をコントロールできることが重要なので、クラブと馴染んでスイングを安定させることが欠かせません。
アイアンやウッドとの使い分けをいち早く習得するためにも、有有効なスイングを直感的に身に付けていくのがおすすめです。
おすすめのユーティリティ特集
ユーティリティを1本ゴルフセットに入れるだけでもスコアアップのチャンスがあります。ここでは初級者向けおすすめのユーティリティをピックアップして紹介します。
ちなみに、最初に購入するクラブとしておすすめなのは、ロフト25°前後のユーティリティです。
アイアンで打つのは怖いような場面でも使いやすく、ボールが上がりやすいという特徴があります。
初心者にも取扱いやすいモデルだけでなく、ゴルフ暦の長いアスリート向けのもの、ユーティリティの買い替えを検討中のアベレージ向けのものなど様々あるので、ご自身のレベルに合わせて検討してみてください。
▶100切りを目指すアベレージゴルファーにおすすめのユーティリティ特集
まとめ
ユーティリティは飛距離を適切にコントロールしやすいクラブです。フェアウェイウッドよりも距離を制御しやすく、アイアンよりも飛距離を出せるという、それぞれのクラブのいいところを取り入れています。
またウッド型とアイアン型などスペックごとに打ち方のコツも異なることがお分かりいただけたでしょうか。
これらの特性を理解してドリルでスイングを習得することが大切です。ユーティリティは困ったときの打開策になります。スコアアップを目指して、自分に合ったユーティリティでたくさん練習していきましょう!
記事編集者プロフィール
ゴルフドゥ!オンラインショップ編集部
会社名 | 株式会社ゴルフ・ドゥ |
所在地 | 埼玉県さいたま市中央区上落合2-3-1 |
会社設立 | 2000年4月 |
お問合せ | https://www.golfdo.com/inquiry/ |