
目次
サイズ違いのドライバー兄弟モデルを打ち比べてみた!
似た性能の兄弟モデルはなぜ存在する?
- アスリート系ドライバーに多く見られる見た目がそっくりな兄弟モデル。
製品名で番号が違ったり、PROとかついていたり、見た目にはサイズが違うくらいのものがとても多いですよね。なんでこういったクラブが作られるかというと、少しずつ特性を変えて、色んなゴルファーが自分の理想の弾道や操作性を追い求めやすくするために存在しています。
つまり「ちょっと重心が低いと自分にピッタリなのに」とか「このクラブ、少し小さい方が好みだったなあ」とか、勿論その逆のニーズに合わせるためのものですね。
今回は、人気のテーラーメイド初代M1の兄弟モデル、M1 430(430ccタイプ)とM1 460(460ccタイプ)を実際に打ち比べ、どんな違いがあるのかをチェックしてみます!
ヘッドサイズが違うと何が変わるのか?
- 検証するこの初代M1に共通する機能は前回の企画で使用したM1(2017)と同じく可変するするウェイトが二つ搭載されています。
前回、前々回の企画でご説明したポイントですが、この二つのウェイトを動かすことで重心位置の深い浅い、長い短いを調整することができるモデルですね。
今回はよりヘッドの違いを感じるために、条件は可能な限り同じようにしてみました。
ロフトはM1 460、M1 430共に9.5度を使用して、全く同じシャフト(純正シャフト)を付け替えてそれぞれのヘッドをテストです!最初は、ウェイトポジションをノーマルの位置でそれぞれ試してみたいと思います。
M1 460はミスに強いつくり!
- 最初に試打したのはM1 460。ヘッドが大きくなっているほうですね。
この初代M1は共通してロースピンでヘッドスピードが速めの方向け・・・いわゆるアスリート向けの作りをしていますが、このM1 460はアスリートモデルとしてはヘッドがあまり急な動きを受け付けず安定した、オートマチックな挙動を見せますね。
アスリートモデルとして見ると打点のミスにも強めでサイドスピンがかかりにくく曲りも少なめですね。
直進性の高い、安定した弾道が打ちやすいモデルと言ってよいでしょう。
M1 430は操作性が高い!
- M1 460に対して30ccほど体積の小さいM1 430は非常に操作性が高いですね。
元々が共通してアスリートモデルとして設計されていることもりますが、M1 460に比べてウェイトがノーマルポジションでもサイズの影響で重心が短く、浅いつくりになっているためです。
使いこなせれば強烈なロースピン弾道を期待できるクラブでもありますが、そのぶん、ミスへの許容度がシビアで、ロースピンモデルでもスピン量を確保できるかが重要になっているため、使うゴルファーが試されるクラブでもあります。
弾道の違いは?
さて、実際の弾道計測を見てみましょう。
モデルの差がわかるようにできるだけ同じスイングを心がけて弾道を比べてみました。
また、いくつも情報があるとわかりづらいので、最も特徴を表しているものをお見せしますね。
ウェイトポジションは前述の通り、両方ノーマルです。
M1 430の方はボールがつかまった強い弾道になっていますね。低めのドロー弾道になっているのが、比べるとよくわかるかと思います。これは重心が浅くて短い、操作性がいい作りでヘッドターンがしやすくなっているから、こういう球筋が出るわけですね。
対するM1 460はやや右へ滑るような弾道が出ました。ヘッドターンが緩やかな特性なので、同じように振るとヘッドが返りきらずにスライス気味になってしまっています。
その分、球が高くなっていますので大型ヘッドに慣れた人や球が元々低い人にマッチしやすいクラブと言えるでしょう。
飛距離としては若干ですが、つかまったボールになっていたM1 430の方が飛んでいましたね。しかし、これはどちらが得意かによって変わる範疇ですし、単純な飛距離性能はほぼ互角といえると思います。
コントロールできるならM1 430、安定を求めるならM1 460
今回打ち比べたM1 460とM1 430は各メーカーで発売している兄弟モデルの中でも、デザインだけの話ではなく、特に外観が似たモデルですがそれでもこれだけ違いがありました。
見た目だけだと、サイズが違うだけというものでも実質的なヘッド性能は大きく違い、ヘッドの性能差が弾道に大きな影響を与えることが改めて実感できますね。
M1 460 (大きいヘッド) | M1 430 (小さいヘッド) | |
●ゴルファーの好み | 直線的にコースを攻めていきたい | ボールを操作してコースを攻めていきたい |
●弾道のクセ | 安定性、直進性が高い | 球筋が低く、ロースピン |
●クラブの操作性 | 安定してる分、返しづらい | 返しやすく、打点に対して球筋が敏感 |
●どういう人に向くか | 大型ヘッドに慣れた、多くのプレイヤー | 打点を安定させ、球を上げられるプレイヤー |
改めてまとめてみますが、M1 460は球筋をコントロールして攻略するよりも、直線的にコースを攻めていきたいゴルファーや、左のミスを嫌がる方に良いと思います。
逆にヘッドが大きくて挙動が安定している分、返りづらくなっていますので右のミスが多いならヘッドを返してボールをつかまえられるM1 430の方が良い結果が得やすいかもしれませんね。
また、M1 430よりも安定性が高く、ミスの許容性も高くなっていますので、その分色んなゴルファーが使える、間口の広いクラブとなっています。
対するM1 430は操作性が高いのが特徴で、ボールを操作してコースを攻めていきたいゴルファーにはもってこいの性能でした。
その分、打点に対して球筋が敏感になりますので、クラブをコントロールする技術が求められるとも言えます。それに加えてかなりのロースピン性能を持っていますので、技術とパワーがある程度両立してこそ真価を味わえるクラブになっています。
また、この初代M1にはどちらのモデルにも可変ウェイトがついていますが、このM1 430の方がウェイトを動かした時による弾道に与える影響は大きいと感じます。差がハッキリ出るのでよりカチャカチャの機能を楽しむならM1 430ですね。
-
安定性が高い! ラージヘッドの兄弟モデル
-
操作性が抜群! 小ぶりヘッドの兄弟モデル
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※平均売価は、2017年9月22日現在の当社売価となり、価格は随時変動しますのでご了承下さいませ。
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