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知っておきたい、正しいリリースを身に着けるための練習とは

悩みに効く
知っておきたい、正しいリリースを身に着けるための練習

レッスンでも特に中級者の方から悩みとしてあがることの多い、「正しいリリース」について今回は徹底的に解説致します。まず前提情報ですが、リリースとは本来「解き放つ」という意味合いで使われます。

ゴルフスイングにおいて、この「解放する」or「解き放つ」という言葉が意味しているのは、構え(アドレス )▶️ 振り上げ(バックスイング) ▶️ 振り降ろし(ダウンスイング)の中で蓄えられたエネルギーをボールへ一気に向かわせる動作のことです。

この正しいリリースを手に入れるために、「手首とクラブでできる角度(コック)」と、どこで力が解放されるかという「タイミング」の2つが重要なポイントになります。

上記の2点を習得するにまず下記のことを理解しておくことが重要です。当然、ただ闇雲に力任せに右手だけでクラブを操作してはいけませんのでくれぐれも注意しましょう。

正しいリリースを習得するための2つのポイント

まずはドリルを始める前に理解しておくべき、正しいリリース習得のための2つのポイントです。

コックとヘッドスピードの関係性

コックとヘッドスピードの関係性

実際に試して頂ければすぐにご理解いただけるのですが、手首を全く曲げずにクラブを振り上げ(いわゆるノーコックの状態)、そのままスイングするとほとんどクラブは加速しません。

逆に、タイミングは別として手首を曲げた(コックの使われた状態)形から振り下ろすと加速が全く異なるスピードになることが実感いただけるかと思います。

重ねてになりますが、スイング中におけるコックの役割は重要度の非常に高い部分です。ですが、一番動きの認識がしずらい部分なのでフルスイングでの練習もあまりおすすめできません。ですので、最初はゆっくり大げさに取り組むことを心掛けましょう。

クラブの振り上げが終わって(トップオブスイング、通称トップ)手首とクラブで作られた「コック」、この角度は最低90度を目安にしてください。柔軟性には個人差が当然有りますが90度以内に作れないと加速が得られないのと早くクラブが地面に落ちてしまう「ダフリ」が出やすくなってしまいます。

切り返しから徐々にコック角が自然と大ききなる(アンコックになる)のはもちろんですが、クラブを握っている力が強すぎると「リリース」が非常に早い段階で行われてしまいます。この動作のことを「キャスティング」や「アーリーリリース」と呼んでいます。ほとんどの方は力感が邪魔をしてリリースのタイミングが早くなってしまうので気をつけましょう。

自分のリリースタイミングが適正かどうかを知る方法

正面からスイングを撮影し、ダウンスイングで手元が腰の高さに降りてきたポジションで一時停止してみましょう。この時に手元よりもクラブヘッドの方が上に有れば問題はないでしょう。

しかし、手元よりもヘッドが下へ降りている方は要注意です。

ポジションがこの状態になっているということは、すでにリリースが終わってしまっている状態ということです。手首とクラブの角度が大きく広がっていることでしょう。すなわち、ヘッドがボールと衝突する瞬間(インパクト)の時はすでに解放された後なので距離も出しづらく、おまけにダフリまで付いてくることもしばしばです。

グリップの強さを確認する

適正なグリッププレッシャーであれば、手元が腰の高さに到達した段階ではまだヘッドは肩や胸の高さで保たれています。(一般的にタメができている状態)

両手首にクラブの重さすら感じる事でしょう。手元が腰の高さではコックの角度がおおよそ90~100度の範囲を目標に設定してみてください。

リリースのタイミング

タイミングについては、シンプルです。あまり深く考え込まずに、腰の高さまでキープされたコックがインパクト寸前に解放されればOKと理解してください。

この解放されるタイミング(時間)が思ったよりもずっと後だと感じることができれば問題ありません。

ここまでが最初に理解するべき事前学習ポイントです。

正しいリリースを身につけるためのドリル

では、最後に①と②を併せた練習方法のご紹介です。

右手ボール投げドリル

右手ボール投げドリル

まずは、一番オーソドックスな方法です。右手でボールを持って行う練習なのですが、親指・人差し指・中指の3本の指先で持つ様にします。

その状態でアドレスを作り、ボールを持った右手だけトップまで振り上げます。ここでボールを持った右手はやや甲側と親指側に折れて曲がっていると思います。

そこから野球のサイドスローの要領でボールを目標方向へ投げます。この時、①でご説明した状態までキープできていないと体の正面あたりでボールを投げてしまうでしょう。これはリリースが早いということです。

理想のイメージは、右手が左足の前に来た時に投げる(リリースする)感じです。決して力づくでリリースせず、スナップを効かすことを意識すると良いと思います。決して遠くへ投げる目的ではないことを忘れずにしましょう。

昔懐かし「紙鉄砲」ドリル

昔懐かし「紙鉄砲」ドリル

上記ボール投げができない状況であれば新聞紙で紙鉄砲を作り、ボール投げの要領で音を鳴らしてみてください。「パンっ!」と鳴る箇所が左足の前ならOKでしょう。家の中や、会社の休み時間に挑戦してみてください。

左右片手で感覚を養うドリル

左右片手で感覚を養うドリル

事前のセッティングとして、タテ8㎝×ヨコ10㎝の大きさに紙を切り、2つに折ったものと、ガムテープ(布)を用意してください。

次にアドレスをした時の右足小指前方に、折った紙と左足つま先前にガムテープを貼り付けましょう。これで準備は終了です。

先ずは右手だけでクラブを振り上げますが、その際紙にヘッドが当たってしまうので少しヘッドを浮かせて振り上げましょう。先述のコックの角度を作り、右足前の紙に当たらないようにクラブヘッドでテープを剥がしてみてください。紙にヘッドが当たってしまう方はリリースの早い方です。

感覚が掴めたら次は左手でも同様に行って下さい。補足ですが、実際ボールの位置はテープのやや内側になります。インパクトの後にヘッドが芝を削り取るのでターフが飛んで行きます。

左右慣れたらテープの直ぐ後ろにボールを置いて、両手でクラブを持ちショートアイアンからゆっくりなスイングで打ってみましょう。紙に当たらず、ボールを打った後にテープが剥がれていればリリース問題は解決です。

まとめ

今回は正しいリリースを身につけるための方法をお伝えしてきました。多くの方にとって、リリースはスイングで一番難しい箇所です。

「手首とクラブでできる角度(コック)」と、力が解放される「タイミング」の2点を常に意識するために、複数のドリルを多く行って無意識で出来るようになるまで、タイミングや力感覚を鍛えましょう。