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3番ウッド(スプーン)の打ち方とティーショットでの活用方法

スコア100切りのコツ
3番ウッド(スプーン)の打ち方とティーショットでの活用方法

多くのゴルファーが疎遠になりがちなのがフェアウェイウッドです。
いつか改善しようと思っても、つい自分から避けてしまっている方も多いのではないでしょうか。何度も練習やラウンド中に3番ウッド(以降、3W)をトライし、失敗を続けてしまい、拒否するようになってしまいます。

これにはメンタルも含まれているので、克服のためにまずは3Wのアドレスから打ち方までを再度振り返るなどの対応が必要です。そこで今回はフェアウェイウッドの打ち方と、ティーショットでの活用方法をまとめてご紹介します。

フェアウェイウッドは疎遠になりがちなゴルフクラブ第1位

まずは疎遠になってしまう原因を探っていくことから始めましょう。

フェアウェイウッドはなぜ疎遠になってしまうのか

14本のクラブの中で一番使用率の低いのがこの3Wでしょう。ドライバーの長さに近く、フェアウェイからはティーアップができず、加えてミートしづらいため難しいクラブとなってしまいます。

ロフト角もおおむね13度~16度と幅広く、どの程度のロフト角が自分にとって適正かどうかを把握できていない方がほとんどです。

ドライバーが苦手で、その代わりに3Wを使用するのであれば13度のロフト角、ある程度セカンドショットなどで距離を稼ぐことが目的であれば、16度前後のロフトが付いたクラブが良いでしょう。

この13度のロフトでしっかりと球の高さを出すためには、相当のヘッドスピードが必要になります。ヘッドスピードの遅い方が13度のクラブを使用しても球が高く上がらず、結果的に飛ばせないクラブになってしまうため、購入する際には持ち腐れにならない様に目的をしっかり確認しましょう。次にさらに細かな「難しい」と言われるポイントをお伝えします。

①ドライバーの次に使う事が多いのでミスになりやすい

ロングホールのセカンドショット、3Wでナイスショットすれば2オンできる場面。この様な場合、チョロで終わるか左右に曲げてOBなんてことが多いのではないでしょうか。

1Wはティーアップされて半ばアッパー軌道で球を捉えるので高さも出しやすいですが、3Wは同じ感覚で球を捉えようとするとオーバー回転になり逆に上がらず、最悪、ボールの頭をヒットしチョロになってしまいます。

セカンドショットなどでティーアップされていないフェアウェイウッドは、事前の素振りでスイング中のヘッドの最下点と前傾角度のチェックを入念に行いましょう。

②残り距離が長いという理由だけで欲張ったクラブを選択してしまう

これもよくあるパターンです。フェアウェイウッドは、ただでさえミートが難しいクラブなのに、傾斜や深ラフでも関係なく使用する方が多いです。ウッドはソール幅が広く、特に左足下がりの傾斜ではダフリが多発しやすいので一番避けたいクラブです。さらに、やや沈みがちなラフからでも力任せに3Wを打っているのもNGです。冷静に考えればわかる事ですが、長いクラブほどフェイス面は立ち上がってきます。

その結果、ダウンスイング中インパクトの直前まで芝生の抵抗を自ら大きくしてしまっている状態になってしまいます。「ラフはアイアンで打て」ともよく言われますが、ロフトが多くなり、リーディングエッジで芝を切り取りながらインパクトを迎えるので結果的にフェアウェイウッドより球が飛ぶケースが多くなります。

難しいと思い込み、自分から避けている

根気よく練習すれば必ず打てる様になりますし、コースでも状況判断さえ間違えなければ、きっとナイスショットが出てくるようになります。

最初ゴルフを始めた時、7番アイアンから始めた方が多いかと思いますが、その7番も最初は難しかったはずです。先入観の無い状態で7番を多く使う事でいつの間にか得意クラブになっていませんか?3Wも同じです。繰り返し反復して3Wの練習時間を多く確保しましょう。

3Wはなぜ必要なのか、3Wは本当に必要か

3Wが必ずしも必要かと考え始めると、答えは簡単に出せません。ドライバーが苦手でバッグから抜き、3Wを常に駆使しているような方にとっては必要でしょう。

しかし、多くの方はドライバーがあり、3Wも入っている状態で、1ラウンド中に1度も使わなかったなんて経験があるはずです。そんな経験をよくする場合には、ほぼ抜いてしまって問題無いでしょう。改めて、自分が3Wをバッグに入れる理由を考えてみましょう。

「直近5ラウンドで何回3Wを使ったか」、「使った回数の内でナイスショットの方が多かったか」、「きちんと使うべき状況で使ったか」など細かく分析して下さい。

5ラウンドで1度も使わなければ今後も恐らく必要ありませんし、使用頻度が多く、ミスも多いとなれば練習が必要です。

さらに、ミスした状況も考慮し、深ラフや強い傾斜で使っていたならクラブ選択マネジメントを勉強する必要があります。

3Wを限られた場面でどう使うべきか

ピンポイントでの使用が前提となるため、活用方法を理解しておきましょう。

ティーショットでの使用

3Wをティーショットで使う方も多いのではないでしょうか。特に男女トーナメントを観ていると意外にティーショットで使用している姿を見かけます。ホールによって左右OBや1ペナで曲げたくない、またはドッグレッグホールなどで突き抜けないために使用したり、もちろんドライバーが苦手なので使用するなど様々です。

目的がハッキリとしていれば使い方に制限はありませんが、「同伴プレーヤーが3Wでティーショットしているから」と他人に影響されて使用するのはNGです。

ライの良いセカンドショットで2オン狙い

ロングホールでの2オンはバーディーを獲るよりも嬉しかったりしませんか。ドライバーと3Wの2度ナイスショットしないといけないのでその気持ちはよくわかります。3Wで積極的に攻めるのも時には必要でしょう。

しかし前述の通り、まずは状況を見極める技術を身につけましょう。これができないとただ闇雲に3Wを使うことになり、良い結果が得られません。

・球の止まっているライの状況確認(沈んでいないか、ディボットの上ではないか)
・傾斜の確認(左足下がりはNG、バランスよく振れる斜度か)
・グリーン廻りのハザード確認(グリーン手前が池やバンカーなら捕まる可能性大)
・左右ペナルティの確認(曲がった時のリスクはどうか、多少曲がってもいいフェアウェイの広さか)

などなどまだ他にもありますが、最低限これらの確認を行ってから、3Wを使用するかどうかの判断をしましょう。1つでもNG要素がある場合、3Wの使用は避けるべきです。

実はアプローチでも使用される

一昔前、フェアウェイウッドでランニングアプローチが流行った時期がありました。しかし、最近は目にする機会が減ってきています。日本的ゴルフの思考や指導方法が起因しているのでしょう。グリーン廻りのアプローチはウェッジでスピンを効かせて寄せる・・・、確かに日本のコースレイアウトやセッティングならウェッジのみで対応しきれる部分はあるでしょう。

しかし海外では、フェアウェイもグリーン廻りも芝が薄かったり傾斜が強かったりバンカーとグリーンが繋がっていたりと、日本では中々想像できない状況が多々あるため、まずはパターで転がせるか否かを考えます。

次にフェアウェイウッド、5番アイアン、7番アイアン、9番アイアン、PW、SWの順で、SWで寄せるのは最後の最後の選択です。空中戦よりも地上戦を優先的に考え、できる限りアプローチを易しく行えるように日頃準備をしています。確かにウェッジで止まる球で寄せた時は快感ですが、その分ミスも多くダフリやトップで泣かされている方も多いでしょう。

新たなアプローチ技術を取り入れて一段上のプレーを目指してみましょう。転がしは決して逃げの技術ではありません。パーの可能性を高める技術です。最初は転がっている時間の把握が難しいかもしれませんが、ラウンド中に一番初めにホールアウトしたら迷惑にならない程度に3Wでアプローチ練習を行ってみましょう。

3番ウッド(スプーン)の打ち方や練習方法

最後にスプーン(3Wの名称)の打ち方と練習方法をご紹介します。

狙った所へクラブヘッドを戻せているか

3Wはドライバーの長さに近く、かつティーアップをしないで打つ事が求められます。長いクラブなだけに長さの把握が必要になります。これを意外に把握していない方が多いのが現状です。ボールを打つだけが練習ではありませんので、下記の練習を行って狙った所にヘッドを戻せているか感覚を掴んでください。決して大振りせず、スピードも出さずにゆっくり行いましょう。

① トイレットペーパーの芯を用意
② 先ずは第一段階として膝の高さのペーパー芯をヘッドの芯で当てられるか
③ 第二段階として、腰の高さの芯を打つ
④ 第三段階として、胸の高さの芯を打つ

以上ができるようになったら長さの把握ができていると言えるでしょう。

ミート率が高いグリップの長さを必ず把握する

長さの把握ができたら実際にボールを打つのですが、フルショットでの練習はNGです。今度はどの位の長さでグリップすればミート率が一番良いかの確認です。振り幅は腰から腰までのハーフスイングでOKです。下記の手順で確認してみましょう。

① フルの長さでハーフスイング
② 指1本短く握ってハーフスイング
③ 同様に徐々に短く握っていき、一番ミート率の高かったグリップ位置を把握
④ そのグリップ位置でスリークォーター、フルスイングと大きいスイングにトライ

この練習もティーアップしながらでOKです。

直ドラ練習でラクになる

逆説的な練習になりますが、ドライバーでティーアップせずに「直ドラ」のハーフスイング練習もトライしてみてください。3Wがまともに当たらないのに直ドラなんて当たるはずないと思わずに一度は行ってみましょう。

その後に3Wで同じようにハーフスイングで打ってみると意外に3Wが易しく感じられるはずです。難易度は高いですが、感覚的に3Wを易しく感じさせる練習方法です。更にこの直ドラ練習は余計なシャフト運動が大きい方の矯正練習にもなるので一石二鳥。チョロやトップ、ダフリ修正にも効きます。是非普段の練習に取り入れて下さい。

まとめ

3Wは難易度が高いクラブです。他のクラブより出番が少なく、余計に練習量も少なくなるので打ち辛さがどんどん大きくなってしまう負の連鎖がおきがちです。

少し低くティーアップし、飛ばなくても良いので、芯に当たる確率が上がれば自ずと自信に繋がります。ティーアップは決して恥ずかしいことではありません。ラウンド中の使用率が低くてもミート率を高める練習を行っておくことで1Wや5Wなどの技術の底上げにもなりますので、一度真剣に3Wと向き合ってみてはいかがでしょうか。