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アイアンのライン出しショットの打ち方と使いどころ

スコア100切りのコツ
アイアンのライン出しショットの打ち方と使いどころ

クールな「ライン出し」アイアンショットを打ちたいと考えている方は少なくないでしょう。
セカンド、サードショットで正確にピン方向へ打ちたい、絶対に曲げたくない場面でコンロトールしたショットを打ちたいと思っているが、うまくいかないという方におすすめの練習方法をご紹介します。

ライン出しアイアンショットはどのような場面で必要なのか

まずはライン出しアイアンショットの必要な場面を考えてみましょう。

向かい風(向かい風の時に威力を発揮)

余程の強風状態でない限り、基本的に風は高い所で吹いています。テレビで選手たちが高い所を見たり、ちぎった芝生を高い位置から離して確認したりしているのをよく見かけるのはこれが理由です。

特にアゲインスト(向かい風)の時はボールを高く上げてしまうとまともに風の影響を受けてしまいます。一番ボールが飛ばない状況は、打ち上げホールでアゲインストの状況と言われます。こんな時は長いクラブで低く飛ばして曲がりが少ないライン出しショットが有効となります。極端な話、トップボールの方が結果が良かったりする場合も考えられます。

打ち下ろしの場面

この状況ではただ単にラインを出せば良いという訳ではありません。打ち下ろしで球を高く上げてしまうと滞空時間が長くなり横風からの影響も大きく受ける事になります。距離感のイメージも出しにくくなり、パーオン率が下がってしまいます。

長いクラブでコントロールすれば球が上がらず良いのですが、落ちてからのランが予想付かずで難しいでしょう。短いクラブで低く出せればラインだけでなく風にも影響されにくい球となりパーオン率UPも望めます。

長い番手でコントロールする場面

状況にもよりますが「8番では届かない」、「7番ではオーバー」というように、クラブ選択に迷う場面は多々あります。この時に7番でスリークォーターに打てる技術を持ちたいものですよね。長い番手でショットするのは大半の方はオーバーしてしまう事が怖いので恐れます。

一つのフルスイングスピードのみでラウンドをしているとギリギリのクラブ選択をしがちなので、「飛ばさない」事も練習の段階から行っておくことが重要です。

スイングの大きさはフルでスピードを落としてみたり、スイングの大きさを抑えスピードはそのままにしてみたりなど、正解はありませんが自分の実行しやすい方で飛ばさない練習も行いましょう。

林からの脱出

ライン出しは基本的にコントロールショットになりますので球の飛び方がやや低めになります。フェアウェイからのショットに限らず、トラブル(林の中やライの悪い状況)の対処にもライン出しアイアンショットは大いに役立ちます。普段は練習したことが無いのにコースだと一か八かのご祈念ショットで木と木の間を通すようなショットを何度も挑戦した事があると思います。

高く上げてしまえば枝に当たり脱出できずに何度も脱出に打数が必要だったり。長いクラブのハーフスイングする技術が有れば林からの脱出は成功率が上がります。ただでさえ横に出すことが気持ち的に許せないのがゴルフです。最小限の打数でトラブルから脱出する術を身に付けましょう。

一番短いSW(サンドウェッジ)から始めよう

ライン出しの基本はSW(サンドウェッジ)での練習で掴みましょう。

アプローチはライン出しの基本中の基本(10ヤードでラインが出るように)

何気なく行っているアプローチ、これがライン出しの基本です。下半身がオープンスタンスになり上半身はスクエアで左重心、そして手元はハンドファースト。この形をインパクト以降もキープさせるのが基本です。

この時に、

①本当に真っすぐ飛んでいるのか
②高く上がり過ぎていないか

を再確認しましょう。その後、クラブを2本使って20センチ幅のレール状に置きます

この幅からボールが出ない様に10ヤード飛ばしてみましょう。次に、腰から腰の振り幅で低く打ち出す練習を行います。通常よりもボールを右に置き、フォローでもヘッドと手元を低く保つ様に意識します。

徐々に番手を上げていこう

「ライン出し」はコントロールショットと言っても簡単ではありません。ただ小さく振り幅を抑えるだけではできません。身体の回転と腕の運動量が揃っている事(どちらかが大きく強く動かない様に)が重要で、それなりに筋力も必要になってきます。

短いクラブで打てるようになったらミドルアイアン、ロングアイアン、ユーティリティーでも挑戦しましょう。打ち方は先述の通りです。長いクラブでライン出しができるようになれば、フェアウェイの狭いティーショットなどでもかなり役立つ事間違いなしです。

ライン出し練習方法(スリークォーターも同じ)

最後にライン出しの練習方法をお伝えします。

ライン出しにフルショットはNG

まず何のためのショットなのかを意識しましょう。ライン出しで距離を出そうという考えは望ましくありません。グリーンに向かって、ピンに向かって曲がりを抑えるのが最大の目的です。1割から2割の飛距離が抑えられるぐらいのイメージを持ちましょう。

きちんとミートできていればスピンもしっかり掛かります。フルスイングでないとスピンが効かないと思われる方が多いですがそれは誤解で、全くスピンがゼロになる事はありません。

PWで80ヤード、8番で100ヤード、6番で140ヤードぐらいを目安に練習してみましょう。それぞれおおよそ肩~肩のスリークォーターショットとなってくるでしょう。

スタンスやアドレス、ボールポジションなどの変化

下記の順番です。

①やや短くグリップし、ミート率を上げる。
②スタンス幅はやや狭く、やや左重心アドレス。
③ボール位置は中央よりやや右側(右に置けば置くほど低く強い出球になります)。
④振り幅はおよそ肩~肩のスリークォーターショットが主になります(更に球を低く抑えたいときはインパクト以降のフォローも低く小さくキープする)。

ゴルフクラブが長くなっても100ヤード~150ヤードを目安にスイング練習をしよう

各クラブに慣れるまでは一番長いクラブでもMAX150ヤードを目安に練習しましょう。ミート優先の練習になります。1ショット毎に距離は同じでも方向を変え、場面を想像しながら練習して下さい。

練習場などへ行ったときはつい打ち慣れた打席へ行きがちですが、たまには左端席や右端席で目標方向の眺めを変えながら行う事が必要です。

決して力でボールを押さえつけるのではなく、回転で腕の動きをなるべく抑えて、更に目線を低く保ってフォローを取るようにしましょう。コントロールができれば自ずとラインも出てきます。ここまでくれば、ますますコースでのラウンドが楽しくなるでしょう。

まとめ

近年、「ライン出し」という言葉を多く聞きます。言い方が変われば別物の様に思いがちですが、以前は主に「コントロールショット」と言われていました。

もともとアイアンショットはグリーンに乗せることが目的としており、常にコントロールショット、ライン出しショットになっているものです。「9番で160ヤード飛ばした」、「PWで150ヤードを飛ばした」と言ってもスコアカードに書くのは数字だけです。グリーンに乗らなければ全く意味がありません。

飛ばさない事もゴルフですので、アイアンショットに幅を持たせ、パーオン率を上げて1ランク上のラウンドを目指しましょう。