
PINGのGシリーズは今もっとも売れているブランドの一つ。2004年に初代モデルG2が誕生して以来、12代にわたってモデルチェンジを重ね、20年以上もロングセラーを続けている要因は「前作のパフォーマンスを超えないクラブは絶対に発売しない」というポリシーに従い、常に進化し続けてきたからにほかなりません。
その進化の頂点に位置し、歴代最高のパフォーマンスを発揮するのが2022年に登場したG430シリーズです。
目次
ピン G430とは?
歴代Gシリーズの中でもっともブレないヘッドと評価されたG425シリーズのパフォーマンスをいかにして上回るか。その答えは飛距離でした。
G430シリーズは前作の方向安定性をしっかりと受け継ぎながら、とくにフェースの反発性能を向上させることで、ドライバーからアイアンまですべてのモデルで最大飛距離アップを達成。同時にドライバーではフェース面のバルジとロールの曲率を見直すことで安定した飛びを実現しています。
ピン G425から進化した特徴
前作のG425と比較して進化した特徴を独自視点で紹介します。
特徴1「飛距離性能」
G430シリーズで前作からもっとも進化したポイントはずばり「飛び」です。
G430ドライバーはG425よりもセンターで6%、周辺部は9%も薄い極薄反発フェースにより最大ボール初速がアップ。また、フェース面のバルジとロールを最適化するスピンシステンシー・テクノロジーがドライバーにも初採用され、打点がブレたときにもスピン量が安定しているため飛距離ロスが軽減されました。
つまり、G430はここ一発の飛びでも平均飛距離でもG425を上回り、他社ライバルにも負けない飛びを実現しています。
特徴2「飛距離性能の進化はドライバーだけじゃない」
飛距離性能が進化したのはドライバーだけではありません。G430フェアウェイウッドとG430ハイブリッドはフェース・ラップ・テクノロジーと呼ばれる新しいカップフェース構造を採用してフェースのたわみを最大化。
さらにカーボンクラウンをボディの両サイドまで回り込ませるカーボンフライ・ラップ・テクノロジーにより低重心化を実現。フェアウェイウッド、ハイブリッドともに高初速・高弾道で飛ばしてねらえるクラブとなりました。
また、G430アイアンでは前作よりも薄いフェースと1度ずつ立てた新ロフト設計を採用。前作よりもボール初速がアップし、さらにやさしく飛ばせるアイアンに進化しています。
特徴3「打感や打球音」
歴代のGシリーズの飛びや方向安定性はほとんどのゴルファーに高く評価されていましたが、唯一好みが分かれていたのが打感でした。一般的に投影面積の大きなボディは共振しやすく、寛容性と打感は相反するためです。
しかし、G430ドライバーはヘッド内部のソールに振動を抑えるサウンドリブを設置することで前作よりも低めの心地よい打球音を実現。また、フェアウェイウッドとハイブリッドはカーボンクラウン採用により静かな打球音に変化。
さらにアイアンではインパクトの振動を抑える衝撃吸収バッジをバックフェースに搭載することでソフトな打感を実現しています。
G430ドライバーの特徴とラインナップ
Gシリーズ伝統のブレないヘッドに初速を最大化する極薄フェースを搭載。定番3モデルのMAX、LST、SFT、軽量タイプのHL(ハイローンチ)モデルのMAX HL、SFT HL、高MOI(慣性モーメント)を追求した10K(MAX 10K、MAX 10K HL)の7モデルから最適な1本を選ぶことができます。
G430 MAXドライバー
G430 MAXドライバーの左右MOIはG425 MAXと同等の大きさで、オリジナル3兄弟(MAX、LST、SFT)の中ではもっともブレないヘッドです。
薄肉化されたフェースにより最大初速と飛距離性能がアップ。新設計されたバルジとロールによりオフセンターヒット時の飛距離のブレも小さくなっています。
ヘッド最後方には可変式の高比重タングステンウエイトを装備。左右10ヤード程度の弾道調整が可能で、もっとも多くのゴルファーにフィットするモデルです。
G430 SFTドライバー
ドライバーユニークなのは選べるポジションが一般的なドローとフェードではなく、ドローとドロープラスになっていること。球がつかまることは大前提であり、ドロー回転のかかり具合を調整することでよりストレートで飛ぶ弾道を極めることができます。
また、最大初速をもたらす極薄反発フェースを採用するなど、つかまり系ながら飛距離を犠牲にすることなく、スライサーがいままで以上に飛ばせるモデルに仕上がっています。
G430 LST ドライバー
G43 0LSTドライバーはGシリーズで初めてカーボンクラウンを採用したモデルです。8層構造の軽量カーボンをボディの両サイドまで回り込ませることで十分な余剰重量を確保。低重心設計によりアスリートゴルファーが求めるロースピン・強弾道を実現してくれます。
また、440ccの小ぶりなサイズながら左右MOIは歴代LST最大の5,000g・㎠オーバー。操作性と寛容性を高い次元で両立しています。ウエイト調整によりフェードヒッターもドローヒッターも最適な弾道で飛距離アップできます。
G430 HL MAX ドライバー
G430 HL MAXドライバーはG430 MAXの可変式ウエイトを約半分の重さにしたヘッドに専用シャフトとグリップを装着した採用した軽量ドライバーです。
クラブ重量はG430MAXよりも約30グラム軽い274グラム。さらに先中調子のスピーダーNX45を長尺46インチで仕上げ、日本人向けに細身のグリップ(スティッキーSLアクア)を採用しているため、ヘッドが走って打ち出し角も上がります。
また、軽量ながら上下左右合計のMOIは8700超えを実現。芯を外しても当たり負けせず高初速・高弾道で飛ばせます。
G430 HL SFT ドライバー
G430 HL SFTドライバーはドローバイアス設計のG430 SFTのヘッドを軽量化し、30グラム台の超軽量シャフトと軽量グリップを装着したモデルです。
重量265グラム、バランスC8はピンの歴代モデルの中でもっとも軽く、シニアや女性でも楽に振り切ることができます。シャフトは先調子のスピーダーNX35を46インチで使用。ゆったり振ってもヘッドスピードが上がり、球がつかまって高く上がります。MOIは平均以上に大きいので、軽量ヘッドにありがちな当たり負け感もなくボール初速も期待できます。
G430 MAX 10K ドライバー
2024年2月に追加発売されたG430 MAX 10Kドライバーは、PINGの得意とする深重心・高MOI設計を追求したモデルです。
G430 MAXよりもさらに薄くて軽い超極薄フェースとカーボンクラウンを採用。余剰重量を生かした高比重ウエイトを深く低い位置に固定することで、左右MOIと上下MOIの合計10000g・㎠超えを達成すると同時に相反する性能である深重心と低重心を両立。Gシリーズ史上もっとも打点のブレに強く、高初速・高打ち出し・強弾道で飛ばせるドライバーに仕上げられています。
G430 MAX 10K HL ドライバー
G430 MAX 10K HLドライバーはヘッド後方のウエイトをG430 MAX 10Kよりも軽いHL専用品に換装。さらにHL専用シャフトのスピーダーNX と日本モデル専用グリップのスティッキーSLを標準装着した軽量ドライバーです。
総重量が23〜30グラム軽くシャフト先端のしなり戻りも速いため、力のないシニアゴルファーでも振り抜きやすく、打ち出し角が上がります。また、軽量ヘッドなが左右上下の慣性モーメントはG430 HL MAX以上に大きく、高初速・高弾道の安定した大きなキャリーで飛ばせるモデルです。
G430フェアウェイウッドの特徴とラインナップ
新たにカーボンフライ・ラップテクノロジー(カーボンクラウン)が採用されてブレにくさと飛距離性能が大幅にアップ。定番モデル(MAX、SFT、LST)と軽量モデル(MAX HL、SFT HL)の5モデルからベストな1本を選択できます。
G430 MAX フェアウェイウッド
G430 MAX フェアウェイウッドはカップ状のカーボンクラウンを採用。ソール最後部に高比重タングステンウエイトを配置して上下左右のMOIを適正化することでヘッドのブレが約14%改善されました。
また、G425MAXよりも0.5度ずつ寝かせた新ロフト設計と前作比約10%の低重心化により打ち出し角がアップ。フェース面のバルジとロールを最適化するスピンシステンシー・テクノロジーとあいまって、さらに高弾道のビッグキャリーで飛ばせるクラブになっています。
G430 SFT フェアウェイウッド
G430 SFT フェアウェイウッドの投影面積はG430 MAXよりもひとまわりほど大きく、かまえたときから安心感があります。ヒール寄りにウエイトを配置したドローバイアス設計なのでスライサーでも楽に球をつかまえてストレートな弾道で飛ばせます。
また、形状がシャロー、ロフト角は標準的なフェアウェイウッドと比べて1度ずつ寝ているため、地面の球を拾いやすく高打ち出しのキャリーが出る弾道になります。MOIはG430 MAXと同等、上下左右のミスに対して球がブレにくいモデルです。
G430 LST フェアウェイウッド
G430 LST フェアウェイウッドはシリーズの中で唯一チタンボディとフェースを採用したモデルです。2041βチタンのカップフェースはたわみが大きく、エネルギーが効率よくボールに伝わるためドライバー並みの初速を実現。
また、軽比重811チタンボディとカーボンクラウンによる余剰重量を使って、ソールのほぼ全面に80グラムものタングステン・ソールプレートを装着。前作のG425LSTから30%近い低重心化を達成し、アスリートが求める低スピン・強弾道の飛びを実現しています。
G430 MAX HL フェアウェイウッド
G430 MAX HL フェアウェイウッドはG430 MAXと同形状のヘッドにHL専用の軽いウエイトを搭載したモデルです。シャフト、グリップもそれぞれ専用の軽量タイプが装着されており、流行りの軽量ドライバーとマッチするクラブ重量・バランスになっています。
ヘッド重量が軽く重心も浅めなのでMOIの数値はG430 MAXよりも低くなっていますが、一般的なフェアウェイウッドと比べると十分大きく、スピン量を安定させるスピンシステンシー・テクノロジーとあいまって打点ブレには強いクラブです。
G430 SFT HL フェアウェイウッド
G430 SFT HL フェアウェイウッドは、大型かつドローバイアス設計のG430 SFTのソールウエイトをHL専用の軽量タイプに換装し、30グラム台の超軽量シャフト(スピーダーNX35)と35グラムの軽量グリップ(スティッキーSL)を装着したモデルです。
ロフトがG430 SFT同様1度ずつ寝ていて、クラブ重量は30グラム近く軽いため、さらに球がつかまって上がります。
MOIが大きく、カップフェースの反発力も高いため、軽量モデルにしては当たり負けしにくく、ボール初速が出ます。
G430 ハイブリッドの特徴とラインナップ
G430シリーズはハイブリッドにもカーボンクラウンを採用。たわみやすいカップフェースとスピン量と打ち出し角の安定する新バルジ&ロール設計との相乗効果により、さらに高初速・高弾道で飛ばせるクラブに生まれ変わっています。
G430 ハイブリッド
G430 ハイブリッドはユーティリティに求められる高い弾道、方向性、飛びを兼ね備えたモデルです。ボディの両サイドまでカバーするカーボンクラウンが8グラムの余剰重量を生み、前作を超える低重心化と高MOI設計により高い打ち出しと左右のブレが少ない弾道を実現。
また、たわみを最大化したカップフェース構造と上下に打点がブレてもスピン量が安定するスピンシステンシー・テクノロジーを採用。安定した大きなキャリーでどこからでも狙っていけるクラブとなっています。
G430 ハイブリッド HL
G430 ハイブリッドHLは日本市場専用にチューンされた軽量・高弾道モデルです。HL専用のウエイトで軽量化されたヘッドに軽量シャフトとグリップを装着。G430 ハイブリッドの標準カーボンシャフト装着モデルより30グラム以上も軽く、楽に振れてヘッドスピードと打ち出し角がアップします。
MOIは軽量モデルながら平均的なユーティリティの数値を上回っており、ブレない高弾道の大きなキャリーでグリーンをねらっていけるクラブとなっています。
G430 アイアンの特徴
G430 アイアンはキャビティで飛びを追求したモデルです。新設計されたフェースは前作G425よりも3%薄く反発性能がアップ。さらに角番手のロフト角を1度ずつ立てることで中空アイアンに負けないボール初速を実現しています。
また、ワイドソールかつトゥに高比重ウエイトを搭載した高MOI設計により上下左右のミスにも強くなっています。ヘッドはステンレス鋳造ながら打感がマイルドなのもPING G430 アイアンの特徴です。
その秘密はキャビティ部分に装着されたピュアフレックスといわれる衝撃吸収バッジ。7つのゾーンに分かれた独自構造によりインパクト時の不快な振動を抑えてソフトな打感と音を実現しています。
まとめ
歴代のGシリーズはブレにくさ、すなわち曲がらないことが最大の特色であり、アマチュアもプロもやさしく飛ばせるクラブでした。
しかし、G430シリーズは飛距離性能にフォーカスした新テクノロジーが搭載されたことでライバルに負けない飛びを実現。文字通り飛んで曲がらないクラブとなりました。
また、HLや10Kなど派生モデルが続々と登場。シャフトやグリップの選択肢も多く、フィッティングにより最適なスペックのクラブを手に入れられるのがG430シリーズです。ぜひお手に取ってお試しください。
ゴルフドゥ!オンラインショップ監修
2024年5月